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博士課程 修了生の声

酒井 久美子

共同看護学専攻(博士課程)

博士課程での学びを終えて

酒井 久美子(令和5年3月修了)

 大学院の講義はコースワークも多く大変なこともありましたが、色々な先生方の講義やゼミに参加でき、これまで学べなかったことを学ぶ楽しい時間でもありました。論文作成の過程では、苦労もありましたが、研究手法、プレゼンの仕方や物事の見方や考え方、研究倫理など学ぶことも多く貴重な機会となりました。新型コロナウィルス感染症の蔓延により調査ができない時期も経験し、学びや研究ができることは当然ではないことも実感しました。
 博士課程での学びは、私にとってはリカレント教育です。私の人生のタイミングで学び直す機会を得たこと、また学位取得まで多くの方々に支えて頂いたことに感謝しています。これから少しでも還元できるように日々努めていきたいと思っています。

小山 理英

看護学研究科 共同看護学専攻博士課程

小山 理英さん(2022年3月修了)

   私は博士課程への進学にあたり、学びたい気持ちだけが先行しており、今にして思えば、博士として何を成し遂げたいのかが明確ではありませんでした。そのため、入学後は、もっと準備をしていれば良かったと悔やみながら、地道に文献検討を重ねる日々が続きました。
   1年目では、予備調査として、臨床現場の看護師の方々にインタビューを行い、現場の生の声を聴き、問題の明確化を図りました。文献検討と予備調査という過程を経て、博士課程で解決すべき問題が徐々に明らかになっていったように思います。また、2年目では、看護師のための教育プログラムを開発し、プレテストを実施しました。その結果を踏まえて研究計画書の作成に取り組みましたので、研究計画書の完成には実に3年を要しました。そして、時間をかけて練り上げた研究計画書通りに研究を実施し、思いもよらないほどの成果をあげる事ができました。
   博士課程は修士課程の続き・・・と表現する方もおられますが、そうとも言えますし、そうでもないような気がします。結果として私は5年の歳月をかけて修了しましたが、一つひとつの課題に取り組み、丁寧に分析を続けた日々の努力は今後の私の人生の支えになると思っています。
   私が無事に博士号を修得できたのは、先生方、先輩方、そして研究に協力いただいた看護師の皆様のお陰です。沢山の励ましの言葉をいただきありがとうございました。今後は博士として研究を続け、社会貢献に努めたいと思っています。

小手川 良江

看護学研究科 共同看護学専攻博士課程

小手川 良江さん(2022年3月修了)

   私が博士課程に進学したきっかけは、もっと成長したいという思いを持ったことでした。今まで教育や研究に関わってきましたが、自分の力不足を実感することも多かったため、自分が成長するためには、大学院で学びたいと思い進学を決意しました。
   博士課程で学ぶ日々は、自分にとって刺激を受けることが多かったです。その刺激は、喜びもありますが、模索する日々には苦しみも多かったです。博士課程の学びには答えはなく、自分の研究課題に取り組み、自分自身の力で何かを築き上げる日々は暗中模索で五里霧中な日々でした。また、仕事・家庭・博士課程の同時進行は多重課題も多く、時間の捻出も難しい状況でした。そのような中で、心が折れることなく前に進み続けることができたのは、先生方が博士課程の道のりを伴走してくださったからです。たくさんの努力をしましたが、自分の力だけで乗り越えることは困難だと感じる高いハードルが何個もありました。その時に先生方のご指導とご支援により、進むべき方向が見えてきて、なんとか乗り越えることができました。また、同じように、働きながら博士課程で学ぶ学友にも励まされました。苦しみを共有し、悩みを相談しお互いに支えながら成長できたと思います。博士号取得までの道のりは、困難も多かったのですが、多くの方の支援を受けて、前に進むことができました。今はエベレストの登頂に成功したくらいの気持ちです。しかし、博士課程の修了はゴールではなく、新たなスタートだとも感じています。今回の学びを今後につなげ、教育者・研究者として成長し、様々な貢献ができるように努力したいと思います。
   振り返ると苦しい日々もありましたが、博士課程で学んだ日々は、自分にとって大事な時間になりました。大学院で学びたいと思っている方は、ぜひ挑戦してください。手を伸ばせば様々な学びを得ることができると思います。

阿部 オリエ

看護学研究科 共同看護学専攻博士課程

阿部 オリエさん(2020年3月修了)

博士課程進学の理由

   大学に助手として入職した当初より、博士課程も含めた大学院への進学を考えていました。

研究した内容

   私の博士論文の題目は、臨地実習における看護系大学生のケア実施に伴う看護上の判断育成に向けた臨地実習指導者の関わり:成人看護学(急性期)実習に着目してです。私は、看護系大学生への育成すべきコアコンピテンシーとして、学生自身で看護上の判断ができるようになることが喫緊の課題であると考えています。そこで、臨地実習における「学生の看護上の判断」の概念分析を行い、属性の一つとして、「ケア実施に伴う決定」を特定するに至りました。現在、臨地実習における学生へのケアの指導は、9割以上臨地実習指導者が担っている現状があります。そのため、学生と共にケアを実施している臨地実習指導者の、学生へのケア実施に伴う看護上の判断に対する関わりを明らかにすることで、学生のケア実施における看護上の判断育成に向けた示唆を得ることができると考えました。その結果、ケア実施前、実施中、実施後に、臨地実習指導者は学生自身で看護上の判断ができるようになるために、多様な関わりを行っていることを可視化することができました。

博士号取得後の抱負

   この度、博士号を修得しましたが、本学位記は、研究者としての自立に向けた通行手形だと考えています。そのため、博士課程の修了は、ゴールではなくスタートです。今後は、看護基礎教育、看護継続教育を見据えた看護人材育成に邁進できたらと思います。その一プロセスとして、いつの日か、博士号の学位取得を目指すべく人材の育成に携わることができることを夢見ています。

後進へのメッセージ

   博士課程で学ぶにあたり、とにもかくにも、目の前にある課題をこなすことに必死でした。特に、仕事をしながら、育児に追われながらの取り組みでしたので、研究時間を確保することだけに注力した日々だったように思います。課題に取り組むにしても、時間が取れず焦り、焦ったところで課題は溜まっていく一方で、八方塞がりの苦しみを味わいました。そのような中、その状況も含めて「俯瞰」しようと努力しました。数々の挫折や失敗も含めて「俯瞰」するよう努めました。そうすることによって、物事を見る角度が変わりました。角度が変わると、気持ちに余裕が生まれ、いつしか八方塞がりから脱することができていました。終わってしまえば、充実感と達成感で胸いっぱいです。しかし、再度、博士課程に戻れるかと問われれば、二度と戻れません!!と断言できるくらい、苦しくて辛い日々だったようにも思います。でも、それを味わうことが博士課程の醍醐味であるなとも思います。継続は力なりです。

矢野 真理

看護学研究科 博士課程

矢野 真理さん(2019年3月修了)

   私が博士課程に進学したきっかけは、現在の超高齢社会を背景に課題とされているエンド・オブ・ライフケアにおける超高齢者の療養場所選択について、急性期病院の熟練看護師が行う意思決定支援の実践知を明らかにし構造化したいと考えたからです。
   博士課程では、修士課程以上に知的複眼思考・論理的思考を求められるため、道のりは簡単なものではありませんでした。しかし、博士号取得まで辿り着けたのは、本学や5大学の多様な知識を持つ先生方から多くのご指導を頂く機会があったこと、また、学友の様々な領域の経験を共有することが出来たからだと思います。この様な時間は、人生において大変貴重な宝物となりました。
   今後の目標は、この研究結果を看護教育機関もしくは臨床現場において活用し、一人でも多くの超高齢者が尊厳ある終焉を迎えられるよう、看護師教育に貢献することです。
   皆さんも是非、共同看護学専攻 博士課程に進学し、有意義な時間を過ごしていただければと思います。