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おすすめ図書

本でクロス!もっとクロス!

本学の学生、教員、職員が、お勧めの本をリレー形式で紹介していくコーナーです。勧められた本を通して新たな興味や関心が広がり、人との新しいつながりも広がります。
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ルール


助手 中平紗貴子先生 から1年生 永翁華歩さん へおすすめ

考える練習をしよう

マリリン・バーンズ, 晶文社, 1985.

この本を読んでみようと思ったのは、どうしたらもっと考えられるのか?と思ったことがきっかけでした。子ども向けの本と思いきや、なかなか深い本でした。読んでみてすっきりはしません。むしろ考えます。しかし、それこそが私の求めていた感覚だったのかもしれません。なぜなら、どうしたらもっと考えられるようになるのか?と思っていたのだから。その通りになったというわけです。
私は、この本の文章もさることながら、描かれているイラストも気に入っています。随所に面白い挿絵が登場します。この絵がまた考えさせてくれる。しかし、苦ではない。看護者は、対象となる患者さんやご家族、一緒に仕事をする多くの方々と接します。その対象は年代も様々、置かれている状況も人それぞれです。そのため、相手のことを理解する努力、すなわち他者の考えを知り理解すること、自分とは異なる価値観を知る必要があります。どんな仕事でもそれは必要なことかもしれません。しかし、とりわけ看護者はその部分において、高いコミュニケーション能力が求められると思います。相手を知るばかりではありません。同時に、自分自身のものの見方、考え方の特徴、価値観を知っておくことも大切であると考えます。
私たちは、看護師である前に、一人の人間です。人としての成長にもつながる一冊だと思います。

20150522 中平先生(画像)

あなたには何が見えますか? (『考える練習をしよう』p28より引用)

1年生 永翁華歩さん へメッセージ

入学して間もないので、私よりもフレッシュな感覚な永翁さん。あなたにはこの本で何を感じ、何を考えますか?

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助手 中平紗貴子先生 へ

『考える練習をしよう』という本を勧めていただきありがとうございます。
フィールド体験実習の際に本の内容を簡潔に教えてくださり、考えるって言われてみても「うーん。どう説明すればいいの?」という感じでした。しかし、絵と一緒に本を読み進めていく中で、いろんな視点から一つのものを見ていくというのを学びました。看護師を目指していく中で一つのことにとらわれることがなく、仲間のいろいろな意見に耳を傾けていこうと思いました。
この度はこの本を紹介していただきありがとうございました。

1年生 永翁華歩さん から1年生 服部瑶子さん へおすすめ

人は見た目が9割

竹内一郎, 新潮社, 2005.

先日の初めての病院実習でコミュニケーションの重要性を看護職者から学んだ今、どんな看護師になりたいか・・・という大まかな目標ができたと思います。実習後、看護職者にはコミュニケーション以外にも「見た目」というのが関わってくるのではないかと思いました。そこで、「見た目」ということに関して調べていくとこの『人は見た目が9割』という本を見つけました。話している言葉の内容がどれだけ相手に伝わるかという驚愕の研究結果や、女の人の嘘にどうして騙されてしまうのかなど、一見看護とは関係ないようですが、読んでいくと自分自身考えたことがあるような身近な内容(例えば、前髪を上げおでこを出している女性はできる女に見える!!!)について根拠に基づき説明しています。この本を読んで、人にどう見られるべきか、見られたいかと考えてみてもいいのではないかと思います。

1年生 服部瑶子さん へメッセージ

私がこの本を読んでいるときに、興味深そうに見ていた服部さんへこの本を紹介させてください!看護師を一緒に目指していく中で、見た目も重要になってくると思っています。この本を読んでどんなことを服部さんは考えますか?

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1年生 永翁華歩さん へ

永翁さん、『人は見た目が9割』という本を紹介いただきありがとうございます。この本を読んで、人の行動の意味や、自分の見た目について考えさせられ、今までの自分の常識が変わりました。これからは、もっと見た目に意識して生活していきたいです。この本は読み進めるのが楽しく大変面白い本でした。紹介ありがとうございました。

1年生 服部瑶子さん から准教授 濱元淳子先生 へおすすめ

人は見た目が9割

竹内一郎, 新潮社, 2005.

私は、永翁さんがこの本を読んでいるときに、内容を聞くだけで「面白い!読んでみたい!」と思い、読んでみました。
この本は、人は見た目で判断するということを元に、私たちが普段している何気ないしぐさや、行動が相手にどういう風に見られていたのか、どういう意味を持っていたのか、恋愛の距離、など興味深い内容が盛りだくさんです。読んでいくと「え、そういうことだったのか!次は!?」と先が気になり、あっという間に読んでしまうと思います。
この本を読んでみて、今まで「人は見た目じゃないよ!」と言われてきたけれど、そのことが覆されました。
常に人とかかわる看護の仕事の中で、やはり、内面だけでなく、見た目の重要になってくると思うのでこの本を読んで、見た目について、考え直すのもいいかもしれません。
大変面白い本なのでぜひ読んでみてください。

准教授 濱元淳子先生 へメッセージ

友人と、看護師は見た目も大事という話をし、臨床経験のある濱元先生にこの『人は見た目が9割』という本を読んでいただき、どう考えられるのかお聞きしたいです!よろしくお願いします。

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1年生 服部瑶子さん へ

服部さん、お勧めありがとうございました。
救急外来に勤務していた頃、患者さんを見た瞬間に「んっ?何だか様子がおかしいぞ」と気づくことが沢山ありました。救急看護師は、患者さんと話す前に、その様子を見て病態の緊急度や重症度を判断します。これを看護用語では「第一印象の評価」といいます。まさに「見た目」です。患者さんが言葉では発していない体調不良のサイン(バイタルサインの異常)を察知できる能力が、看護師には求められています。
同時に、患者さんも私たち看護師を「見た目」で評価しているのだと思います。「忙しそうな顔しているな」、「怖そうな顔しているな」、「話しにくそうだな」などなど。看護師も人間・・・持っている知識や技術といった“中身”で勝負したいところですが、やっぱり第一印象で判断されることが多いと思います。・・・もちろん教員も・・・ですね。気をつけます。

准教授 濱元淳子先生 から教務課 榎本夏子さん へおすすめ

外科の夜明け: 防腐法-絶対死からの解放

J・トールワルド著, 大野和基訳, 小学館, 1995.

麻酔が存在しなかった150年ほど前の時代、患者さん達は、苦痛のあまり絶叫しながら亡くなっていました。吸入麻酔が開発された後も、術後創の処置が不完全なため、感染症を発症し、次々と亡くなっていきました。この本は、麻酔手術が成功し、感染症を克服するまでの近代外科学の発展過程について、史実に基づきながらも、手に汗握るドラマ仕立てで書かれています。発行後、50年以上の月日が経っても燦然と輝く名著です。
読み終えた後は、21世紀に生きていてよかったと、近代医学に感謝すると同時に、医療の一部を担う職業(看護職)につくことの重みを改めて感じることができる一冊です。

教務課 榎本夏子さん へメッセージ

初めてこの本を読んだ時は、あまりの興味深さ(学術的な面白さ)にグイグイ引き込まれ、一夜にして読んでしまいました。ずっと同一体位で読んでいたので、首と腰が痛くなったくらいです。気を付けてください。

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准教授 濱元淳子先生 へ

お勧め本の紹介と、本のカバーの紹介文を読んで俄然興味がわいてきて、濱元先生の予言通り一気に読んでしまいました。登場人物の顔を勝手に想像し、感情移入してしまいました。読み終えた今、当たり前と思っている現代の医療に感謝の気持ちを感じています。ありがとうございました。

教務課 榎本夏子さん から3年生 鹿子島惇さん へおすすめ

外科の夜明け: 防腐法-絶対死からの解放

J・トールワルド著, 大野和基訳, 小学館, 1995.

「麻酔で痛みを和らげてもらうこうこと」「医療(の現場)は、常に清潔に保たれていること」。現在では、常識だと考えられている事は、約150年前には常識ではありませんでした。1800年代半ば、手術は苦痛が伴うことが当たり前の時代でした。それが「麻酔」の発見により、人々は痛みから解放され、さらに防腐法の発見が、手術後の感染症による無残な死から人々を解放しました。
この本では、医療が大前進していく様子を個性的な登場人物を通して描かれています。登場人物は、個性的でありながら、いつの時代にも存在しているような人々です。
一方、苦痛に耐え、手術・治療を受けた人々のことも忘れてはならないと思います。苦痛に耐えてでも治療を受け、楽になりたい、治りたいと思う患者の思いが、多くの発見の原動力になったことは間違いないでしょう。
多くの命と熱意、アイデア、努力、偶然など、様々な要素が交わり外科技術が前進してきたことを知ることができる本です。

3年生 鹿子島惇さん へメッセージ

この本を読んで、医療の世界を目指している鹿子島さんがどのように感じたかをぜひ教えてください。この本には、続編があるそうです。私も今から、続編を読むつもりですが、鹿子島さんもよかったらどうですか?きっと読みたくなると思います。

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教務課 榎本夏子さん へ

 本の紹介をしていただき、ありがとうございます。紹介していただいた『外科の夜明け』や同著者の『近代医学のあけぼの』を読んで、現在医療の現場で用いられている麻酔法や消毒法を開発するまでに、様々なドラマや、多くの患者や開発者の命の犠牲があり、その犠牲があったからこそ、今の医療があるということに感銘を受けました。今回、「外科の夜明け」を読んで、私が知らなかった医学の歴史について知ることができ、医学により関心を持ちました。ありがとうございました。

3年生 鹿子島惇さん から2年生 粟飯原正晴さん へおすすめ

相田家のグッドバイ : running in the blood

森博嗣, 幻冬舎, 2012.

帝国大出身のいつも冷静で頭脳明晰だが他人とピントがずれている父。異常なくらいの整理収納癖を持つ母。この作品は、そんな両親に育てられた長男紀彦の視点で描かれた家族の物語です。
紀彦は成長し、社会に出た時に家族や自分の価値観が他の家族や人と違っているという事に気づき、その価値観や生き方を修正していきます。両親からの独立や結婚、新しい家族との生活、両親の死を通じ、中年と呼ばれる年齢になった時、両親のこと、家族とは何であるのかということについて、自ら問いただします。
日本における高齢化の急速な進行は、看護師になる身としても憂慮すべき問題だと思います。この本は、フィクション小説としての面白さに加え、家族小説を描くことによって、現在問題となっている核家族化や配偶者の死による高齢者の孤独化について、また高齢者を福祉施設に入れることは本当に本人のためになるのだろうかということについて考えさせられます。

2年生 粟飯原正晴さん へメッセージ

この本を読んで、どのような感想を抱いたかぜひ教えてください。同作家の『喜嶋先生の静かな世界』も、すてきな作品ですので、併せてごらんいただき、心温まる森博嗣の世界をご堪能ください。

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3年生 鹿子島惇さん へ

鹿子島さん、『相田家のグッドバイ』をご紹介していただき、ありがとうございます。この本は非常に淡々と描かれているのですが、読み進めていく内に家族に対する暖かい思いが見え隠れして、最後は何だかほっこりさせられました。主人公の家族はとても変わっているように見えるけれど、どこの家族もそれぞれの思いや愛情の形があって、客観的に見ればどこの家族も実は同じくらい変わっているのではないのか・・・などなど、色々考えさせられ、楽しく読み進めていくことが出来ました。同作家の『喜嶋先生の静かな世界』も読んでみたいと思います。
ありがとうございました。

2年生 粟飯原正晴さん から2年生 高口暢大さん へおすすめ

日本人にかえれ

出光佐三, ダイヤモンド社, 1971.

出光佐三は「会社組織とは大家族と同じである」という経営理念をもとに、「タイムカードなし」「出勤簿なし」「定年なし」「馘首なし」など、今では考えられない手法で会社の経営をしていました。社員は家族であるから家族に定年はないし、時間を管理する必要もない。出光佐三は数千人もの規模の人数でもこの経営理念をもとに会社を経営していたのです。この本はこのような出光佐三の経営理念や生き方について書かれてあります。
また、国際化する時代の中で日本・日本人としてどうあるべきかについて出光佐三の独自の視点で書かれており、これから日本および日本人とはなにかという根本的な問いを自らに投げかけて、これからの日本のあるべき姿・自分のあるべき姿とは何なのか考えさせてくれる本でもあるので、学生の内に読んでおいて損はない一冊だと思います。

2年生 高口暢大さん へメッセージ

出光佐三は私たちの大学のある宗像で生まれた偉人であり、百田尚樹の著書『海賊と呼ばれた男』の主人公のモデルとなった人物です。宗像で生まれた偉人を知る良い機会だと思います。
是非読んでみて下さい。

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2年生 粟飯原正晴さん へ

出光佐三の『日本人にかえれ』を紹介していただき、ありがとうございました。この本を読む前に出光佐三がモデルになった、百田尚樹の著書『海賊とよばれた男』を読んでから本書を読んだところ、紹介して頂いた通り大変想像しやすく、なぜ出光佐三が独自の経営理念に代表される様な考えに至ったのかがわかりました。出光佐三の考えや方針に触れるうちに時折、私も出光佐三のもとで働いてみたいなという思いがわき、仮に出光佐三が現在も生きていてこの様な経営をすると、はたしてどのようになっているのか大変興味深く感じます。

2年生 高口暢大さん から2年生 服部咲子さん へおすすめ

殺人出産

村田沙耶香, 講談社, 2014.

本書は決して後味の良い小説や面白おかしい小説ではありません。むしろ、気持ち悪く何度も閉じたくなる本です。実際私も幾度となく閉じようと思いました。しかし、現代の社会の特徴を捉えているため、多少誇張があったとしてもそれを差し引いたら十分現実味を帯びている話だと思ったのです。
この本は「殺人出産」、「トリプル」「清潔な結婚」、「余命」の4つの話から構成されている短編小説集です。最も長い話でも110ページ弱しかなく、加えて、セリフが多いため分量的にはスラスラと読むことのできる書物だと思います。「余命」はわずか4ページの掌編ですので、内容は割愛します。「殺人出産」は10人産んだら1人殺していいという標榜のもと、産み人と呼ばれる人が憎き人を殺すため10人の子を産むというシステムに疑問の念を抱きながら生活する一人の女性が主人公です。「トリプル」は男女の交際の仕方が男性2人と女性1人や男性1人と女性2人など男女合計3人で交際するという設定のもとに話が展開していきます。「清潔な結婚」は快楽の為にセックスはしたくない、子どもをつくる為にするのだという信念を持つ夫婦が主人公であり、その信念と現実との間での葛藤を描いています。
上記の通りこの作品は現在の社会情勢を誇張したSFであり、殺人と出産を同一の土俵で考えたり、子作りと夫婦の営みを別に考えたりと今の私たちの「常識」とは全く異なることが起こります。そのため、普段いかに私たちが常識(感覚)にとらわれているかがわかり、その感覚を見直すことができるところがこの本の最も面白いところです。

2年生 服部咲子さん へメッセージ

最近、日本ではLGBTの結婚がパートナシップ協定という形で一部認められ、また逆に夫婦別姓が声高に叫ばれている中、最高裁は別姓を認めない判決を下すなど今までの「常識」が変わりつつあります。そのため、「家族の在り方」も多様化していき、この本に出てくるような家族も将来的に存在しうるかもしれません。服部さんがこの本を読んで常識という感覚や今後の家族の在り方などを考えるきっかけになれば幸いです。

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2年生 高口暢大さん へ

高口さん、『殺人出産』を紹介していただきありがとうございました。本を読み終わった後に感じたのは、自分が今「常識」や「正しい」と思っていることは、時代の流れによって移り変わっていくものであるということでした。今はないけど将来的にはあり得るかもしれないと思わせるような設定が興味深く、「もし自分なら…」と真剣に考えてしまいました。時代による移り変わりの境目に自分が立った時に、なかなか新しい方の考えを受け入れきれない辺りが「自分はまだまだ頭が固いのかな?」という感じがしました。ありがとうございました。

2年生 服部咲子さん から2年生 岡田圭央さん へおすすめ

夢巻

田丸雅智,出版芸術社,2014.

ショートショートといえば、星新一を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、本書の著者である田丸雅智氏は星新一の孫弟子にあたるショートショート作家です。
『夢巻』は20編から成り、ホッコリする話から、ドキッとする話までさまざまです。題材になっているのはどれも身近にあるもの(野菜、リモコン、文字、雲…など)ですが、日常から非日常を作り出す著者の発想力が非常に面白いと思います。また、著者の表現もとても印象的で、「綿雲堂」などでは幻想的な情景が目に浮かび、心が温まるような気分になります。
短い文章の中で表現されるこの世界観は、あなたの生活の中にあるちょっとしたことでもキラキラとして見えるようにさせるのではないでしょうか。読み終わった後には、自分の身の回りにも、なにか自分の知らない不思議な世界が広がっているのではないか、と考えたくなるかもしれません。きっとあなたの発想を広げてくれると思います。

2年生 岡田圭央さん へメッセージ

年が明けたというのに、試験や実習など慌ただしい日々が続いていますが、たまには本を読んで息抜きというのも悪くないかもしれません。短い話ばかりなので、ちょっとした時間にも読むことが出来るのがこの本のいいところです。

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2年生 服部咲子さん へ

『夢巻』は、どれも実際にあったら楽しいだろうなと思わせるような話が多く書かれており、読み終わった後は続きが気になりました。続きを想像することで、自分の発想力も鍛えられる本だと思いました。
紹介してくださり、ありがとうございました。

2年生 岡田圭央さん から2年生 吉村佳那子さん へおすすめ

横道世之介

吉田修一,文藝春秋,2012.

大学進学のために長崎から上京した横道世之介の一年間を追った話です。主人公、横道世之介はしっかりしている一面もありますが、頼まれたことはなんでも引き受けてしまうお人好しです。この彼の性格が様々な人との出会いを引き起こします。友人の突然の結婚と出産、サンバサークルでの活動、お金持ちのお嬢さんとの恋愛、帰省など横道世之介の一年に起きた様々な出来事が丁寧に書かれています。
この物語には横道世之介に関わった登場人物の十数年後の姿も描かれており、あることをきっかけに、それぞれが横道世之介と過ごした時間を思い返す場面は、楽しい場面とは打って変わってしんみりとした気持ちになります。
同じ大学生として、自由な生活を送る横道世之介と実習や課題で追われている私とを比べると羨ましく思えてならないのですが、本当は私が忘れていただけで、楽しかったことが横道世之介と同じくらいあったのかもしれません。人間は自分に起こった出来事すべてを記憶することは不可能です。おそらく、横道世之介も一年間に起きた出来事すべてを覚えてはいないでしょう。楽しかった思い出も、嫌な思い出も年月が経った時にふと思い返すことができれば、初めて意味のあるものとなるのではないでしょうか。そのようなことを考えさせてくれる本です。

2年生 吉村佳那子さん へメッセージ

やっと春休みが始まりましたね。今まで、レポートや実習などお疲れ様でした。この本は少し長いですが、一気に読んでしまうくらい面白いので時間のある春休みにぴったりだと思います。ぜひ、新学期に感想を聞きたいです。

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2年生 岡田圭央さん へ

『横道世之助』という本を紹介して下さり、ありがとうございました。本を読む機会が少ない私でも一気に読み切ることが出来た魅力的な本でした。身近な出来事の有難さや楽しさに改めて気づくことが出来たと思います。

3年生 吉村佳那子さん から3年生 安長妙子さん へおすすめ

告白

湊かなえ, 双葉社, 2008.

私がお薦めする『告白』という本は、2009年に湊かなえさんが本屋大賞を受賞した有名な作品です。ある少女の事故死を中心として、死亡した少女の母親である教師、その生徒、生徒の家族等、人間関係が様々な角度から描かれています。また、事件の本当の経緯が見えてくると、犯人の真の望みとは何だったのかということが読者の胸に少しずつ訴えかけてきます。真相を追及するミステリーとしてももちろん楽しめる一冊です。しかし、詳細に書かれた登場人物それぞれの心情や背景を通して、一つの事件でもそれぞれの立場から見つめなおせば別の面が見えてきて、想像力を鍛えることもできると思います。
人生は十人十色です。立場も環境も考え方も全てが違います。全く同じ人はこの世にはいません。この本には賛否両論がありますが、私も共感できる点もあれば、理解し難い疑問の残る点もありました。どのように感じるか、それは、この本を手に取る読者のこれまでの人生の歩みや感性に委ねられるものであり、答えはありません。だからこそ、読んだ人に合わせて感想が異なる素晴らしい本であり、ぜひ手に取ってほしいと思います。

3年生 安長妙子さん へメッセージ

あっという間に春休みが終わり、新学期が始まりましたね。すでに次の実習に向けて準備が始まりましたが、息抜きにこの一冊を手にとってはいかがでしょうか。この本から何を感じ取ったのか、意見共有できたら良いなと思います。

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3年生 吉村佳那子さん へ

『告白』を紹介してくださりありがとうございました。普段読む本とはジャンルが異なり新鮮な気持ちで読むことができました。また、一つの事件が様々な視点から描かれており、視点を変えることで見えてくる面白さを味わうことができました。

3年生 安長妙子さん から3年生 中原椎葉さん へおすすめ

自閉症の僕が跳びはねる理由:会話のできない中学生がつづる内なる心

東田直樹, エスコアール出版部, 2007.

今回私がお薦めする本は『自閉症の僕が跳びはねる理由』という自閉症の中学生(当時)が書いた本です。この本を手にしたきっかけは、障がい者施設での実習で自閉症の方とのかかわり方に困惑し、うまく介入できなかったという後悔があったからです。自閉症の方は一般的に人とコミュニケーションをとることが苦手であり、心情を言葉で表現することが困難だと言われています。そのため、実習でも彼らの心理や行動についてわからないことばかりでした。そんな中出会ったのがこの一冊です。
この本は自閉症である当事者の視点から描かれているため、彼ら特有のもののとらえ方や考え方が手に取るようにわかります。そして、彼らの素敵な世界観を知ることができます。また、一問一答の形式で書かれているためとてもわかりやすく、本を読むのが苦手な人でも読みやすいと思います。みなさんぜひ読んでみてください。

3年生 中原椎葉さん へメッセージ

中原さんも実習で自閉症の方とかかわる中で少なからず葛藤があったのではないでしょうか。この本は自閉症を理解するのに大変参考になる本です。レベルIV実習に向けて忙しくなる時期ですが、一問一答形式で読みやすい本なのでぜひ読んでみてください。

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3年生 安長妙子さん へ

本を紹介してくださりありがとうございます。実習を通して自閉症の子供たちと関わり思い悩んだ経験を振り返りながら読むことが出来、自閉症への理解が深まりました。他のシリーズも出版されているので是非読んでみたくなりました。

3年生 中原椎葉さん から2年生 政村千遥さん へおすすめ

ぼくは明日、昨日のきみとデートする

七月隆文, 宝島社, 2015.

私が今回紹介するのは、『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』という本です。この本を手に取ったきっかけは、この本が映画化される際に主人公を演じる俳優が好きだったからという単純なものです。何気なく手に取った本でしたが、実習前の忙しいこの時期にこそ読むべき本でした。私は、この本を読み終わった後、一日一日に価値があるということを忘れていた自分に気付かされました。学校に行き友人と会話した、挨拶した、そんな何気ない日常を大切にしていきたいと改めて思うことができました。
もちろん、題名から想像できるように純粋な恋愛ドラマも描かれており、微笑ましくなったり、切なくなったりといろんな感情がわきました。プロローグの一行目は、「一目惚れをした。」という文章から始まるので、今から何が描かれていくのだろうと興味を惹かれます。読み始めると、主人公である南山高寿がとても誠実で、一心に彼女を思い続けている様子に、ついつい応援したくなってしまいます。また、二人が京都でデートする場面では、その美しい街並みや景色を想像して楽しむこともできます。
全て読まなければ隠された謎が明らかにされないため、忙しくてもついつい読んでしまい、途中でやめられなくなってしまいます。ところが、読んだ後は、謎が解けてすっきりすると同時に、もう一度読み返したいと思ってしまう癖になる本でした。
とても読みやすいので、気軽に手に取ってみてください。

2年生 政村千遥さん へメッセージ

私が最近読んだ本の中で一番、おもしろかった、と感じた一冊です。政村さんも、今が一番忙しい時期だと思いますがちょっとした息抜きに、この本に出てくる京都の町を想像したり、複雑な二人の恋の行方を追いながら楽しんで読んでみてください。

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3年生 中原稚葉さんへ

本を紹介して下さり、ありがとうございます。読み進めていく上で、明らかになる隠された秘密の真相を知りたくなり、読むのに夢中になりました。本で読んだことを想像しながら、実写化されている映画も見てみたいと思いました。

2年生 政村千遥さん から助手 島崎梓先生 へおすすめ

夜のピクニック

恩田陸, 新潮社, 2006.

今回紹介する本は、第2回本屋大賞を受賞した『夜のピクニック』です。
私がこの本を手にしたきっかけは、題名に惹かれ、どのような話であるか興味が沸いたからです。この話は、夜を徹して80キロを歩き通すという、伝統行事の「歩行祭」が舞台となっています。生徒達は、様々な想いを抱えて、高校生活最後の行事となる、この「歩行祭」に参加します。主人公の貴子は、3年間のわだかまりを解決するために、クラスメイトの融に話しかけるという密かな誓いを胸に抱えて、歩行祭に臨みます。貴子の想いは、恋愛とは違う複雑なものであり、これによって二人の関係がどのように変わるかが、この本の見所です。
高校生が主人公ということもあり、話には青春時代のさまざまな想いが込められています。私の高校にも、真夏の炎天下を歩くという行事があり、実際に歩いた時のことを頭に浮かべながら読みました。高校時代は、心身を鍛えるという名目で何かときつい行事や辛いこともありましたが、今振り返ってみると、その経験があるからこそ乗り越えられたこともたくさんあります。この「歩行祭」も、ただ歩くだけの行事ですが、その中には登場人物たちのいろいろな想いがあり、そこから学ぶことが多くあります。
自分の青春時代を思い出し、どこか懐かしい気持ちにもなります。とてもおもしろいので、ぜひ読んでみて下さい。

助手 島崎梓先生 へメッセージ

この本を読んでいる間、高校生に戻っているような気がしました。厳しい規律の中で、勉強と部活の両立を懸命に行っていたことが甦りました。島崎先生にこの本を読んでいただき、どのようなお気持ちになるかお聞きしたいです。是非、高校生活に戻ってみて下さい。

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2年生 政村千遥さんへ

政村さん、紹介ありがとうございます。読んだ後、懐かしくて爽やかな気持ちになる素敵な本でした。青春真っ只中の登場人物たちに、忘れかけていた大切なことを教えられました。心が濁ってきたら、また読み返してみようと思います。

助手 島崎梓先生 から2年生 吉田日向子さん へおすすめ

コンビニ人間

村田沙耶香, 文芸春秋, 2016.

私がお薦めする本は、今年、第155回芥川賞を受賞した村田沙耶香さんが書いた『コンビ二人間』です。著者自身も、コンビ二店員であることから受賞時話題になりました。主人公は、子どものころからちょっと変わっていると周囲に思われ、生きづらさを感じていた女性です。そんな彼女が、ようやく見つけた安住の地は、「コンビ二」でした。マニュアル通りの平穏な日々を送っていた彼女の職場に、新しいアルバイトがやってくるところから、彼女の人生が揺らぎ始めます。「なんでアルバイトなの?」「なんで結婚しないの?」「何のために生きているの?」彼の素朴な疑問が、それまで誰も踏み込むことの無かった彼女の世界をこじ開けます。
この本は、主人公に投げかけられる言葉の一つひとつが、読者である自分に投げかけられているようで、自分の価値観や人生観を揺さぶる作品でした。「普通って何だ?」「幸せって何だ?」と考えていくうちに、自分も社会の規定した理想形に縛られている一人なのかもしれないと気付きます。看護とはあまり関係ありませんが、コンビ二の裏側やそこで働く人のプロフェッショナリズムも垣間見ることができて面白かったので、是非読んでみてください。

2年生 吉田日向子さん へメッセージ

この本を読んで、自分の常識が少し変わりました。主人公には共感できないかもしれませんが、他者への理解は広がると思います。読んだ後に、何が正しいか分からなくなる不思議な感覚を、吉田さんも是非味わってみてください。

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助手 島崎梓先生へ

『コンビニ人間』を読んでから自分の話し方が主人公と同じで、まわりの人の話し方を合わせたものであることに驚きました。人は一人で生きていけないと強く感じました。

2年生 吉田日向子さん から図書館 白倉理絵さん へおすすめ

骨盤にきく : 気持ちよく眠り、集中力を高める整体入門

片山洋次郎, 文藝春秋, 2009.

現代を骨盤から読み解く『骨盤にきく―気持ちよく眠り、集中力を高める整体入門―』をお勧めします。サブタイトルにあるように睡眠と集中力をメインに書いてあるのですが、食べることや考え方、恋愛などについても骨盤というローアングルな視点で自分を見つめ直すことができる一冊です。自分で対処できるよう簡単な体操もイラスト付きで書いてあり、非常にわかりやすいです。また、現代社会の「何で?」のヒントもたくさん書かれています。整体と聞いて身構えず気楽に読んでみてください。

図書館 白倉理絵さん へメッセージ

本に書かれている体操で集中力アップを実感してみてください。

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2年生 吉田日向子さんへ

ご紹介、ありがとうございました。「?」と思う部分もありましたが、自分の体に思いあたるところもあり、興味深く読ませていただきました。とりあえず、足上げ体操を続けてみます。

図書館 白倉理絵さん から4年生 木原如季子さん へおすすめ

神様

川上弘美, 中央公論社, 1998.

著者のデビュー作「神様」を表題とした9編からなる連作短編小説です。
表題作の「神様」は、主人公の私と最近近所に越してきたくまが河原に散歩にでかける話です。この他にも、主人公は白い生き物(梨の妖精)や河童、人魚と会ったり、謎の壺を貰ったりします。どれも突拍子もない話です。でも、語り口は淡々としていて、主人公も違和感なくそれらを受け入れているので、日常の話のように感じます。だけど、読んだ後は何かじんわりと感じるものがある、とっても不思議な本です。
もちろん、最初から通して読んでいただきたいですが、その後は気まぐれに一話ずつ読んでも楽しめると思います。個人差はありますが、私にとっては人生の中でこういう本があるとちょっと救われるなあという気がします。気になった方はぜひ読んでみてください。

4年生 木原如季子さん へメッセージ

本好きな木原さんが、普段読まなさそうな本を選んでみました。これからの人生の中で、ちょっとした気休めになればと思います。

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職員 白倉理絵さんへ

忙しい日々の中、日常のような、そうでないような不思議な世界を感じることが出来ました。ふわふわ浮いているようなほっこりした気持ちです。なんとなく思い出した時に、読み返したくなるような作品に出合えてうれしいです。ご紹介ありがとうございました。

4年生 木原如季子さん から4年生 堀之内和輝さん へおすすめ

芙蓉千里

須賀しのぶ, 角川書店, 2012.

夜の蝶、と言えば今やキャバクラ嬢やホステスなどを考えますが、ほんの少し前までは吉原遊郭が存在していました。いまだ芸妓、舞妓といった文化は残っているもののわずかな地域のみです。
そんな、日本人なら誰しも気になるであろう花魁、女衒といったものに焦点を当てたお話です。
さかのぼること明治末期、一人の少女・フミが中国大陸に渡りました。自分を捨てた父親から母親は吉原の花魁だったと聞かされ、自らを女衒に売り込み、大陸一の女郎となるべく海を渡ります。親に売られたタエとともにハルビンの女郎屋・酔芙蓉で下働きを始め、あでやかで淫靡な世界に身をやつしていきます。彼女は角兵衛獅子で鍛えた身のこなしと舞の才能で、やがてハルビンで名をとどろかす芸妓へと成長していくのです。
事細かに書かれている時代背景と女性の強さ、しなやかさがとても印象的な本です。友情、恋愛といったきれいごとだけで済まされない世界がここにはある気がしました。気になった方は是非読んでみてください。

4年生 堀之内和輝さん へメッセージ

こういった作品は男性はあまり読まなさそうだと思って選びました。忙しい時期だとは思いますが、こういった本を集中して読んで少しでも忙しい毎日を忘れられたらと思います。

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4年生 木原如季子さんへ

日々が忙しくて、本を読む機会がなかったのですが、この本に出会えてから本を読む時間を確保しようと思わせるぐらい、不思議な感覚に引き込まれる作品でした。御紹介ありがとうございました。

4年生 堀之内和輝さん から1年生 坂田颯馬さん へおすすめ

博多あるある

岡田大, 宝島社, 2013.

博多と言われれば、安くて美味しい飲食店があって、個性豊かな屋台、遊園地、空港、百貨店にショッピングモールに商店街と、買い物をする場所にも困らない都会というイメージがあるでしょう。みなさんのイメージ通り、博多は便利な街、楽しい町、住みやすい町を追及した結果に行き着いた、理想郷のような場所、そんな感覚にさえさせてくれます。長い歴史があり、独自の文化など博多にしかないものもあります。皆さんは博多ならではの文化、風習、ルール、言葉、常識をどこまで知っていますか?
この本は、著者が実際に博多を訪れ、街を歩き回りながら気になったことを書きとめ、現地の方々に質問し、ディスカッションをしながら、博多ならではの文化、風習などをあぶり出していく作品となっています。
博多出身ではない方は、自分の出身地と比較しながら読まれると、地元民しか知らない博多や自分の出身地の魅力を新しく発見できると思います。気になった方は是非読んでみてください。

1年生 坂田颯馬さん へメッセージ

学校に慣れることで精一杯の毎日であり、忙しい時期だとは思いますが、気分転換にちょっとした空いている時間に読まれると、気持ちがスッキリすると思います。

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4年生 堀之内和輝さん へ

博多や福岡について知っていることがなかったので、この本を通じて知ることができました。

1年生 坂田颯馬さん から1年生 赤坂亮馬さん へおすすめ

悪の教典

貴志祐介, 文藝春秋, 2010.

この本は、友達に勧められて読んだ本です。非常に面白い本であり、のめり込むことができる本でもあります。この小説は、高校教師と生徒の話であり、内容も少し変わっています。内容においては、文化祭の泊まり込みの作業中に、クラスの担任の先生が猟銃で生徒を襲っていくという内容になっています。このような過激な内容なので、好き嫌いは分かれますがとてもお勧めできるものであります。 勧めるにあたり、私ももう一度読みたいと思います。

1年生 赤坂亮馬さん へメッセージ

この本は、映画にもなりとてもスリルがある本です。また、ラストが面白いので見てみてください。

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2年生 坂田颯馬さん へ

典型的なサイコパスが忠実に描写されており、とても読み応えがある作品でした。この作品は読みやすく、日常の描写も犯罪の描写もわかりやすかったため、想像しやすく楽しめました。

2年生 赤坂亮馬さん から2年生 原祐輔さん へおすすめ

突然、僕は殺人犯にされた:ネット中傷被害を受けた10年間

スマイリーキクチ, 竹書房, 2011.

お笑い芸人のスマイリーキクチは、何の前触れもなく強姦殺人の共犯者との中傷を受けた。その強姦殺人の犯人は未成年であったため、世に名前を知られることはなかった。そのため、犯人と同じ地域の出身であり、同じ年代の彼がネットを使う人々の毒牙にかけられたのだ。 彼を犯人に仕立て上げたい者、彼を犯人と信じる者、犯罪に興味ある者が匿名という名の外套を羽織り、デマを書き続ける。匿名は人々の倫理観を麻痺させる毒である。匿名の絶対性を盲目的に信用するあまり、人々は、ネットの中で人間から己の欲を満たす獣へと豹変する。 当時は、ネット上での誹謗中傷で逮捕されることがなかったため、誰もそれらに歯止めをかけることができなかった。 彼は泉の如く湧き続ける誹謗中傷と闘い続けた。人々から向けられる言葉は彼を憤らせ、怯えさせた。愛する者や応援してくれるファンの人たちに魔の手が伸びることを何よりも恐れた。 彼の何が悪くてこのような事態を引き起こしたのか。たぶん、彼はただ運が悪かっただけかもしれない。

2年生 原祐輔さん へメッセージ

時代が経つに連れて、若い世代の人でも安易にネットに繋がることができます。私達だけでなく私達の後に続く世代にも、ネットの恐ろしさを伝えなければならない。この著書には誹謗中傷を書き込まれた際に取るべき方法が書かれているので是非とも読んでほしい。「今回は芸能人だから誹謗中傷を書き込まれた」などと思わないでほしい。 ネットには血肉に飢えた獣が新たな標的を探すため、あちらこちらに跋扈しているのだから。

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2年生 赤坂亮馬さん へ

SNSというとても便利なものが流通している今日、それを使うことは僕たちにも当たり前になっている。しかし、いつどこでその内容が他人の地雷を踏むのかわからない。今回おすすめされた本ではSNSの恐ろしさを理解でき、これからのSNSの利用方法を見直すいい機会になった。

2年生 原祐輔さん から2年生 麥生田麟さん へおすすめ

クジラの彼

有川浩, 角川書店, 2007.

この本を書いた有川浩といえば、『図書館戦争』や『植物図鑑』など数々の有名な作品を書いている作家だ。そんな有川浩が描くこの『クジラの彼』は、海上自衛隊の潜水艦乗り達の6つの恋愛を描いた恋愛小説集である。ここに出で来る登場人物たちは恋愛に不器用だが、気持ちには正直である人たちが多く、その実直さが読んでいて心地よい。潜水艦乗りは、一度任務に出ると、いつ帰ってくるかは機密情報で教えられない。恋人たちはいつ帰ってくるかわからない、生きているかもわからない彼を待つ辛さがある。その分帰ってきた時の喜びがとても伝わってくる。
そもそも僕自身が恋愛小説を好んで読むタイプではなく、有川浩の作品ということで読んでみたが、正直でまっすぐな登場人物がとても明るい恋愛をしていて、清々しい気持ちになれた。恋愛と自衛隊のことも知ることのできる本になっているので是非読んでほしい。

2年生 麥生田麟さん へメッセージ

この本は、恋愛に素直でまっすぐに向き合う人たちの心情が描かれているが、恋愛においてだけでなく、人間関係や何事にも素直な気持ちが大事だと感じさせてくれるようになっていると思う。 今の時期、忙しくて気持ちに余裕がないという時ほど気分転換に読んでほしい。

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2年生 原祐輔さん へ

原くん、本を紹介してくれてありがとうございました。自分はあんまり本を読むのが好きではなかったのですが、原くんのおかげで読む機会が作れました。ありがとう‼︎

3年生 麥生田麟さん から2年生 山部勇純さん へおすすめ

君の膵臓をたべたい

住野よる, 双葉社, 2015.

僕は本を読むことがあんまり好きではありません。しかし、この本だけは飽きずに最後まで読むことができました。しかも、最後には泣いていました。それくらい、感情移入ができる本です! みなさんは、人の時間って無限にあるものだと思いますか?有限のものだと思いますか?大抵の人が有限と答えるでしょう。それは、人には死が待っているからです。ですが、皆さんはその死というのが遠い先だと思っていませんか?僕はそう思っていました。時間は有限。だけど、まだ先の事。しかし、必ずしもそうではないという事がこの本で分かりました。では、その時間の中で、皆さんは何をしたいですか?何の時間を大切にしたいですか?この本を読んで、僕はその事を考えさせられました。 また、人との繋がりについても考えさせられました。人は生まれてから死ぬまでにたくさんの人に出会います。その出会いの中で、誰とどんな形で接していくのか。家族、友達、彼女彼氏、本当に大切な人とどういう接し方をするのか皆さんもよく考えてみてください。もっと、大切で優しく接してあげられるのかもしれないし、厳しく接した方がいいのかもしれません。この本をぜひ読んで考えてみてください。

2年生 山部勇純さん へメッセージ

いずみへ この本は僕が本当に大好きな本です。本嫌いな僕が言うから間違いありません。この本は本当に素晴らしい作品です。ぜひぜひ読んで感想聞かせてね!

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3年生 麥生田麟さん へ

りんさん、ご紹介ありがとうございます。この本は僕も大好きで昔買ったものを今回もう一度読んでまた泣いてしまいました。時間は有限だという事を忘れがちです。だから今この時をもっと大切にしようと思います。読む機会をくださりありがとうございます。

2年生 山部勇純さん から総務課 森部恵介さん へおすすめ

人間失格

太宰治, 新潮社, 1952.

「恥の多い生涯を送って来ました。」から始まる有名過ぎるこの本ですが、今回初めて読んで、人間がなんとなく怖くなってしまいました。2019年9月には映画化される事を知り、その前に絶対読んでおきたいと思って手に取りましたが・・・。とにかく暗―く感じました。この本を読んで元気になる人はまずいないでしょうね。 第3者による主人公・葉蔵の写真を見た印象から始まり、彼の幼少期、中学校、高校以降と3つの手記で構成されています。初めは、葉蔵は何を考えてるんだろうか、ちょっとヤバい人なのかな、という印象が強くありました。しかし読み進めていくうちに共感する部分が多くなり、自分の人生を重ねてしまいます。僕もこんな考え方してるんだと、自己嫌悪に陥ってしまいそうです。中盤以降は、自分の暗い部分を怖いもの見たさに、ページをめくる手が止まりませんでした。人間の偽善や欲望など心の奥底までをえぐり出して見せられた様な気がします。 タイトルからちょっと難しそうですが、気になった方はまずは手にとって、ちょっとずつ読んでみてください。闇の自分が見えてくることでしょう。

総務課 森部恵介さん へメッセージ

森部さんいつもお世話になってます。この本は最近読んだ本で1番心にグッときた本です。ぜひ読んだら感想をお聞かせください。

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2年生 山部勇純さん へ

この本は日本で最も多く読まれた作品のひとつですね。 この作品には山部君も感じたように、人間の暗い部分が数多く描写され、その中で自分と重ねてしまうことがあるのでしょう。読むにはすごく勇気が必要でしたが、太宰治の遺作となったこの作品が一体何を伝えたかったのか、という点を考えることは時代背景(戦時中の作家であること)も含み、色々と考察させてくれる素晴らしい作品でした。ご紹介ありがとうございました。

総務課 森部恵介さん から学務課 下川恭平さん へおすすめ

走れメロス

太宰治, 新潮社, 1979.

あらゆる人を疑い、人の心が信じられなくなった王が、その王に歯向かったメロスに処刑を宣告します。メロスは処刑されることは怖くありませんでしたが、唯一の心残りがありました。それは結婚を控えた妹の晴れ姿を見ることです。メロスは親友に身代わりを頼み、必ず戻ると約束して妹のもとへ向かうのですが、その道中は困難を極めることになります。人を信じることが出来なくなった王は、メロスは絶対に戻ってこないだろうと思います。そんな思いをよそに、メロスは様々な困難を乗り越え、戻ってくるのでした。
この作品は紹介された『人間失格』の著者である太宰治の作品です。国語の教科書に採用される事も多く、読んだこともある人が多いかもしれませんが、『人間失格』と『走れメロス』が同じ人物の作品であることは、読んでみると衝撃です(有名なので今更衝撃を受けないかもしれませんが)。  このような作品も書ける太宰治の才能や魅力を感じながら、可能であれば是非読み比べていただきたいです。

学務課 下川恭平さん へメッセージ

この本を読んで一緒に走ろう。

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総務課 森部恵介さん へ

中学国語の教科書に採録され、知らない人はいない作品ですね。 作中でメロスが、周りからもう間に合わないと告げられても、なぜ走るかについて「間に合う、間に合わないかは問題でない」「もっとおそろしく大きいものと戦っている」と話し、親友との約束を果たすために速度を緩めることなく走りぬいたメロスの姿に感銘を受けたことを今でも覚えています。

学務課 下川恭平さん から2年生 久住呂飛鳥さん へおすすめ

調理場という戦場 : 「コート・ドール」斉須政雄の仕事論

斉須政雄, 朝日出版社, 2002.

日本のフレンチレストラン最高峰「コート・ドール」オーナーシェフ斉須政雄さんの自伝です。経営者、スポーツマンの自伝は数多く出版されていますが、シェフの自伝はあまり見かけないように感じます。
まだ渡仏することが珍しい時代に23歳の若さでフランスに渡り、無数の衝突や厳しい環境下でもがき、大変な目に遭いながらも多くのものを掴みとってきた料理人としての生き様が綴られています。多くの自伝、啓発本は、いかに効率よくこなせるかについて説いていますが、この本は多少遠回りでも、その道程を楽しみつつ生きていくことの素晴らしさを教えてくれました。
中でも、名言としてよく取り上げられるものとして、以下の言葉があります。
「愛しているものがあったら、自由にしてあげなさい。もし帰ってくればあなたのもの。 帰ってこなければ、はじめからあなたのものではなかったのだ。」
この言葉は、モノにもお金にも、人間関係にも、仕事にも通ずるものがあり、感銘を受けました。
私自身、建築学部から赤十字という畑違いの分野に就職しました。当時、毎晩遅くまで卒業設計の指導をしてくれた先生が、「君自身が進みたい、見渡したい世界に進みなさい」と背中を押してくれたことを思い出しました。その言葉のおかげで今の自分があり、先に進むきっかけをくれましたこれから先、年を重ねていくにつれて、私自身の置かれる立場、環境も変容するにつれて、更にこの言葉が身に沁みてくるのかなと思っています。生涯大事にしたい言葉の一つです。
以上の言葉以外にも、自分と向き合うとき、悩んでいるときに心が軽くなるような言葉が散りばめられた一冊です。

2年生 久住呂飛鳥さん へメッセージ

実習も本格的となり、毎日慌ただしい日々を過ごしているかと思います。 辛い日々を過ごし、思い悩むこともあるかと思いますが、背中をそっと押してくれるような言葉がたくさん詰まった一冊です。ちょっと一息つくとき等に読んで頂ければと思いお勧めしました。

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学務課 下川恭平さん へ

シェフの自伝というなかなか見ない本で、とても興味深い内容が多かったです。
この方は23歳の若さでフランスへ行く道を選んでいますが、私にはそこまでの勇気が持てません。紹介文にあった下川さんの先生が仰った「君自身が進みたい、見渡したい世界に進みなさい」という言葉に感銘を受けました。もし生まれ変われるのなら、夢をあきらめずに自分が進みたい道へ進みたいと思います。

2年生 久住呂飛鳥さん から1年生 西村拓海さん へおすすめ

世界から猫が消えたなら

川村元気, マガジンハウス, 2012.

一匹の猫と共に暮らす男性郵便配達員が主人公の、少し切なく深く考えさせられるファンタジー小説です。佐藤健さん主演で映画化もされました。
体調不良をただの風邪だと思っていた主人公の「僕」が下された診断は、進行した脳腫瘍でした。そして家に戻ると、自分とそっくりな容姿の「悪魔」を名乗る者が現れます。悪魔が「世界から一つ何かを消すと、1日寿命がのびる」と告げることからこの物語は始まります。
この本は、読み手によって読み終えた後何を受け取るのかが変わる本だと思います。私自身は、この本を読んだ第一印象は、世界から何かが消えたらというifを実際に体感したような感覚になる本だというものでした。今回読み返して感じたことは、実は死を意識した、生きるために何かを犠牲にすることとはどういうことなのかを考えさせる本なのではないかということです。例えば、私たちは生きる上で食事をとらなければならないわけですが、一つの命を無くし、1日を生きていくという意味ではこの本と同じようなことを悪魔にそそのかされずに毎日行っているのかもしれないと考えてしまいました。
月曜日から始まり1週間で完結するこの物語ですが、喋り出した猫の口調が時代劇を思わせるような「拙者、~でござる」といった、くすっと笑えるようなシーンや心に沁みるような場面も多くあります。不思議な感覚と同時に自分の価値観を考え直すことができる一冊です。是非、ご一読ください。

1年生 西村拓海さん へメッセージ

突然の声掛けで驚いたと思います。
本を読む機会が大学になって減ってしまっているかもしれません。少しでも本を読む機会が多くなればと思い、声をかけさせていただきました。今回紹介した本もとても面白い本なのでよかったら読んでみてください。

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2年生 久住呂飛鳥さん へ

タイトルから興味深く、内容も読みやすい一冊でした。 何かのかわりに何かを失うということや自分にとって大切なものを改めて考えさせられました。そして、その大切なものはいつ失うかわからないからそれをもっと大切にしていこうと思いました。また、何かを失うからこそ、私たちの生が輝くのかなと思いました。

1年生 西村拓海さん から1年生 有吉悠樹さん へおすすめ

人魚の眠る家

東野圭吾, 幻冬舎, 2015.

この本は、一人の少女の死を巡って、人の死とは何なのか、テクノロジーはどこまで人の“生きる”ということに介入していいのかを考えられるとても興味深い1冊です。また、この小説は篠原涼子と西島秀俊の共演で映画化もされました。
この本は、ある男の子が一軒の家にボールを取りに行く場面から始まります。この家は門扉には人魚の装飾が施されたとても豪華な家で、家の中に一人の少女が眠っているという、不思議な回想が続きます。そして、時間軸はその数ヶ月前の出来事に戻ります。面主人公の薫子が接試験の予行演習を行なっていたある日、薫子の母とプールに行っていた娘の瑞穂が、溺れてしまい脳死状態に陥ってしまいます。物語は、娘の死に直面した夫婦が人間にとっての“死”とは何なのかということを、最新のテクノロジーを巻き込みながら展開していきます。人の生と死の境界線とは何なのか、それを決めるのは法律あるいは医者、近親者なのか、そして、そこにテクノロジーはどこまで介入していいのかを深く考えさせられました。また、最初の何気ない回想が、最後の場面に繋がった時とても感動することができると思います。
死という言葉から暗い小説と思うかもしれませんが、東野圭吾らしい展開でとても読みやすく感動できる一冊です。是非、ご一読ください。

1年生 有吉悠樹さん へメッセージ

急な声掛けで申し訳ございません。 多く本を読んでいる有吉さんのオススメを是非教えて頂きたいと思い、声をかけさせて頂きました。 今回紹介した本もとても興味深いものなので、是非読んでみて下さい。

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3年生 西村拓海さん へ

東野圭吾ということで難しそうな本だなあと身構えていましたが読んでみると脳死をテーマに話がきれいにまとめられていて最初の回想が最後につながっていて驚きました。また脳死の捉え方は人それぞれであり自分の価値観を人に押し付けていかないようにしていこうと思いました。

3年生 有吉悠樹さん から3年生 山本 悠雅さん へおすすめ

痴人の愛

谷崎潤一郎, 新潮社, 1947.

まずこの本を知った経緯としては私自身、谷崎潤一郎という名前すら知らず、同級生から本を紹介されて初めて大学に入ってから読みました。感想としてはとても官能的であり女性の偉大さや賢さと男性の情けなさについて痛感するところが随所にあり、私が初めて読む系統の本であったためとても精神的衝撃を受けました。  この本のあらすじは、模範的なサラリーマンである主人公が28歳まで独身を貫いていたものの、カフェで出会ったナオミという15歳の美少女に一目惚れし、相手の親と本人の了承を得たうえで同棲をします。そのナオミに教養と作法を身につけさせ、同棲する中でお互いに自然に好意を抱けるようにしたいと主人公は考えていましたが、現実にはそう思うとおりに行かず、右往左往させられたり翻弄させられたりしつつもナオミへの愛を忘れられない冴えない主人公の物語です。  この本は、男性の私から見ても主人公のことを気持ち悪いと思うところがある反面、どこかその心情を理解できてしまうところがあり、ナオミが俗に言う魔性の女に当てはまると分かっていながらも魅力的に感じてしまうところがあることから、谷崎潤一郎という文豪の才能を感じられます。是非、ご一読ください。

3年生 山本 悠雅さん へメッセージ

今後女性が多い環境の中で男性看護師という職業に就かれると思われる山本さんに女性観についてさらに進歩した視点を得ていただきたいと思いこの本を紹介しました。本の主人公のように女性に翻弄されつつもそれを楽しめる魅力的な男性になっていただきたいと思いますのでぜひ読んでみてください。

3年生 有吉悠樹さん へ

この本を読んで、私も主人公と共にナオミに翻弄させられてしまいましたが、読書好きの有吉君が勧めるだけあってとても面白い本でした。おかげで少しは有吉君の言う魅力的な男性になれたのではないかと思います。またほかにも面白い本があればぜひ教えてください。

3年生 山本悠雅さん から3年生 山下和哉さん へおすすめ

西の魔女が死んだ

梨木香歩, 新潮社, 2001.

この本は映画化もされていて、どこかで1度はこの本の名前を聞いたことがあるのではないかと思います。 この本は中学に進んで間もなく、学校に行くことに苦痛を感じた少女まいが、季節が初夏へと移り変わるひと月あまりを、西の魔女ことおばあちゃんのもとで過ごし始める所から物語が始まります。 おばあちゃんのもつ不思議な力にまいは憧れ、魔女の手ほどきを受けることとなりますが、魔女修行の肝心かなめはなんでも自分で決めることでした。そこからまいが、おばあちゃんと共に過ごし、おばあちゃんから多くのことを教えてもらいながら少しずつ成長していくというお話です。  この物語は、人によって形は異なりはしても、私達が実際に幸せに生きるためのヒントがいくつも書かれていると思います。私は、おばあちゃんの生き方から自分の力で立ち直り、自分の力で前に進んでいくための方法を教えてもらいました。  皆さんもこの本を読むことで、おばあちゃんの生き方から何か得られるものがあると思います。 是非、ご一読ください。

3年生 山下和哉さん へメッセージ

いろいろと忙しい日々ではありますが、この本を読むことでその日々を乗り越えるための何かが得られると思い、この本を紹介させてもらいました。ぜひ読んでみてください。

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3年生 山本悠雅さん へ

紹介して頂きありがとうございました。作品内で「いちばん大切なのは意志の力。自分で決める力、自分で決めたことをやり遂げる力」という言葉がありこれから生きていく上で支えになる言葉となりました。ストーリーも面白く心に響く作品でした。アイ・ノウ

3年生 山下和哉さん から3年生 宮原幹欣さん へおすすめ

看護覚え書 改訳第6版       改訳第7版はこちら

フロレンス・ナイチンゲール ; 湯槇ます[ほか]訳, 現代社, 2011.

この本は、看護の母と呼ばれるフローレンス・ナイチンゲールが書いており、看護学生の方は、1度は読まれたことがあるのではないでしょうか。 内容は、「看護とは、新鮮な空気、陽光、暖かさ、清潔さ、静かさなどを適切に整え、」「食事内容を適切に選択し適切に与えること―こういったことのすべてを、患者の生命力の消耗を最小にするように整えること、を意味すべきである」と看護の原点について論述されています。 看護の基本的な考え方について記載されていますが、ナイチンゲールの看護思想の中から人として大切なことが学べると思います。私は、この本から人道とは何か博愛の精神とは何かについて考えることができました。 皆さんもこの本を読むことで、ナイチンゲールの思想から何かが得られると思います。是非、ご一読ください。また、一度読んだことがある方も新しい学びがあると思うので是非読み返してみてください。

3年生 宮原幹欣さん へメッセージ

一度読んだことがあるかもしれませんが、読んでからの時間が空き、その間に様々な経験をすることで感じ方も違うと思い紹介させてもらいました。忙しいと思いますがよろしくお願いします。

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4年生 山下和哉さん へ

ナイチンゲールは看護の基本的原理について述べており、私はこの本を大学一年生の時に読んだことがありました。しかし、学生生活最後の実習である「統合実習」を終えた後に再度読み返してみると、大学一年生時よりも深く理解することができ、自己の看護観を見つめ直すことができました。

4年生 宮原幹欣さん から4年生 佐藤海都さん へおすすめ

キリン

山田悠介, 角川文庫, 2013.

この本は、天才精子バンクで生まれた兄弟が出てきます。天才数学者の遺伝子を受け継ぐ兄は容姿に優れなかったため、弟の麒麟は「パーフェクトベイビー」を望む母親の期待を背負っていました。 しかし、背中に怪しいシミが浮かんだ時から麒麟の成長が停止しました。そして、“失敗作”の烙印を押された彼は母と兄から見捨てられてしまいます。孤島に幽閉されても家族の絆を信じ続ける麒麟に、運命が残酷に立ちはだかる物語です。生まれてくる子どもたちの人生とはいったいどんなものなのでしょうか。成功作や失敗作、子どもをそんな風に見てしまう悲しさと、生まれながらに生き方を決められている子どもたちを思うと、多くのことを考えることができると思います。

4年生 佐藤海都さん へメッセージ

可愛い表紙とタイトルでは惑わされてはいけません!基本的に登場人物の思考が狂っていて、全く共感できませんでしたが、それでもフィクションとしては面白かったです!読んだら感想を互いに言い合いましょう!

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4年生 宮原幹欣さん へ

『キリン』は子供が親を思う気持ちと、諦めずに努力して自分の才能を開花させるという良いストーリーでした。山田悠介さんの作品で読めていなかったキリンを読める良い機会になりました。とても面白かったです。

4年生 佐藤海都さん から准教授 西村和美先生 へおすすめ

スイッチを押すとき

山田悠介, 角川文庫, 2008.

近未来、日本では自殺者数が多いため、10代の子供たちの自殺を止めるべく青少年自殺制御プロジェクト(YSC)が立ち上げられた。プロジェクトの概要は、国から選出された子供が10歳になると、日本各地にある看守つきの施設に監禁し、その行動を監視するというもの。子供たちは心臓に爆弾を埋め込まれ、その起爆装置であるスイッチを自らの手で持たされる。
この物語は、YSCに赴任してきた南洋平という看守と、施設で7年間生き延びていた6人の子供たちの物語だ。殆どの子供たちは親と離れるなど監禁生活に耐えられず、1・2年でスイッチを押してしまう。そこで7年頑張って生き延びた子供たちが、南との関わりにより次第に変わっていく。

准教授 西村和美先生 へメッセージ

中学生の時にこの作品を読み、今でも内容を鮮明に覚えています。山田悠介さんの作品は、『キリン』も同様ですが、社会問題となっていることを、フィクションの物語と掛け合わせることで、よりリアルに感じられます。生きることの大切さだけでなく、社会問題を作品を通して考えさせらるきっかけになると思います。

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卒業生 佐藤海都さん へ

本をご紹介いただき、ありがとうございます。現代の日本ではあり得ない状況に衝撃を受けましたが、『スイッチを押すとき』の背景について考える機会になりました。この本を読み終え、人とのつながりを大切にして、孤立しないように支えていかなければと思いました。

准教授 西村和美先生 から3年生 飯田みのりさん へおすすめ

確実に自分を変えていく法 : もっと「脳にいいこと」だけをやりなさい!

マーシー・シャイモフ ; 茂木健一郎訳, 三笠書房, 2011.

この本には「自分を変える方法」が凝縮されていて、自分にとっての「ナチュラル」や「本当の自分」を見つけるための方法がたくさん詰まっています。 私自身、この本に出会うまで「自分を変えたい」という思いを抱えていてもなかなか行動変容につながらず、「その人のもっている性格や本質は変わらない」という諦めがありました。そういうときに、この本を読み、これまで自分自身が「ネガティブな面」に着目していたことに気づき、「人は変われる」と確信しました。また、この本を読み、ポジティブでさまざまなことにチャレンジしていく方には「安全基地」があること、物事をシンプルにとらえていることを知りました。 この本には「なりたい自分」になるための方法や、「自分を変える、人生をシンプルにする」ためのポイントが記載されていますので、人として成長につながる本ですので、ぜひ読んでみてください。

3年生 飯田みのりさん へメッセージ

私はこの本を読み、「なりたい自分」や自分が「何を感じ何を必要としているのか」について考えることができました。 この本を読んで、飯田さんがどのように感じたのか、ぜひ教えてください。 読みやすい本ですので、時間があるときに読んでみてください。

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准教授 西村和美先生 へ

本を紹介してくださり、ありがとうございます。読み進めていく上で、簡単に心が折れない方法や自分にやさしくなる方法がわかりました。これからは本で読んだことを実践して、自分を変えていきたいと思います。

3年生 飯田みのりさん から3年生 佐野桃子さん へおすすめ

地震・台風時に動けるガイド : 大事な人を護る災害対策

辻直美監修, メディカル・ケア・サービス, 2023年.

今回私がお薦めする本は『地震・台風時に動けるガイド:大事な人を護る災害対策』という国際災害レスキューナースの方が監修されている本です。この本を手にしたきっかけは、近年地震や台風、大雨といった自然災害が頻発しており、いつだれがどこで災害に巻き込まれてしまうかわからない状況になっているため、何か対策をしたいと考えたからです。 この本は、自宅でできる防災の方法やスマホで簡単に確認ができるサイトの紹介、被災した際に覚えておくと便利な災害用トイレや新聞紙で作る靴、シャワーやお皿などの作り方などが紹介されています。また、地震の被害を抑える対策法や食料などの備蓄の保管方法などについても書かれているため、とても参考になります。 災害対策について考えるいい機会だと思います。是非読んでみて下さい。

3年生 佐野桃子さん へメッセージ

私はこの本を読んで、災害時に備えて日ごろからどのような対策をしたらいいのかということを考えることができました。 最近では、地震や台風、大雨など様々な災害が起こっているので災害対策について考えるいい機会だと思います。 是非読んでみて下さい。

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3年生 飯田みのりさん へ

本を紹介してくださり、ありがとうございます。自宅での災害対策として何をすればいいのか、実際に起こった場合何をするべきか写真付きで分かりやすく書いてあったので、楽しみながら学ぶことが出来ました。防災メシがとてもおいしそうで自分でも作ってみたくなりました。

3年生 佐野桃子さん から3年生 井上 遥さん へおすすめ

石巻赤十字病院の100日間

石巻赤十字病院, 由井りょう子, 小学館, 2016年.

2011.3.11、東日本大震災。 あのとき、現場の病院では何が起こっていたのか。 この本は私が大学に入学して最初に図書館で手に取った本です。 入学した当初は赤十字について知っていることは少なく、なんとなく組織的に災害に強い病院だという印象しかありませんでした。そんな時にこの本に出会い、実際を学ぶことが出来ました。地震直後の石巻赤十字病院の様子やチームの連携、また病院内だけでなく自衛隊など他組織との連携、地域や県外からの連携など、目の前の命を救うために必死で戦った方々の様子を見ることが出来ます。 そしてこの体験談は防災についても考えさせられます。防災について色々と書かれている本は最近でもよく目にしますが、こうして災害時の出来事を客観的に淡々と描かれてある本からの方が、より危機感を沸かせ防災への関心が高まるのではないかと思います。 本当に生きた教訓を書いた一冊だと思います。是非読んでみて下さい。

3年生 井上 遥さん へメッセージ

東日本大震災から13年、自然の驚異は毎年どこかで猛威を振るっています。看護学生という医療従事者の一員として実際に災害にあったとき、どのような行動をすれば良いのか、ぜひこの一冊から考えてみてください。