【1年生の岩波新書感想文】『源義経』


著者情報等五味文彦著、岩波書店、2004.
寄稿者名1年生 鵜池 弘士(2012年7月)
本学所蔵なし
私が五味文彦著『源義経』を読もうと思ったきっかけは、2005年のNHK大河ドラマ『義経』を見たときに、この人は本当はどんな人なのか、本当にドラマのように激動に富んだ人生を送ったのかと興味を持ったからです。
 実際に本書を読んでみると、私が見て聞いてきたものは、史実に基づいたものではなく、伝説の面が多かったのだと分かりました。しかし、史実に基づいた義経像と多くの伝説に彩られた義経像では、私は後者の方が好きです。
 私も、自分より何か秀でている人の話をするときに、どれだけ秀でているのかを分かってもらうために話に少し盛り付けをすることがあります。義経の話が伝説に彩られているのは、義経にはそれ相応の才能そして技量があったのだと思います。昔の人々が話していたことがめぐりめぐっていまにまで伝えられ、本に記され、そしてドラマにまでなったのだと考えるととても面白いし、すごいことだと思いました。
 多くの分野での技術の向上、識字率の上昇があったことでここまできたのだと思いました。時代が移り変わっていく中で、必要とされる技術も変わってくるものだと思います。義経の時代には、戦での戦略を立てる力、兵力など相手を倒す力が必要とされ、その力を持っている人だけが時代の先頭を走っていたが、現代では、相手を倒す力は必要とされていない。現代で必要とされる力、技術は、相手を癒す力、技術が必要とされていると思います。


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      喜多学長が、新入生に課題として出された「岩波新書の感想文」を
                シリーズで掲載しています。
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