『20歳のときに知っておきたかったこと:スタンフォード大学集中講義』


著者情報等ティナ・シーリグ著、高遠裕子訳、阪急コミュニケーションズ、 2010.
寄稿者名1年生 隅川 茜(2010年12月)
本学所蔵http://opac.jrckicn.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=35595
私が、今回紹介する本は、『20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学集中講義』という本で、著者が実際に行っていた講義や自身の経験に基づいています。本書の最大のメッセージは、「失敗を怖がらず日常でぶつかる問題に立ち向かうことが大切だ」ということです。

 著者であるティナ・シーリグはスタンフォード大学医学部で神経科学の博士号を取得し、現在は同大で講義を行う傍ら、起業家としても活躍しており、更にアメリカの起業家を対象とした講演も行っているということです。

 私が最も深い印象を受けたのは、「常識を疑う許可、世の中を新鮮な目で見る許可、実験する許可、失敗する許可、自分自身で進路を描く許可、そして自分自身の限界を試す許可を、あなた自身に与えてください(p. 206)」という言葉です。これを読んで私は、自分がいかに固定観念にとらわれていて、自分自身で限界をつくり、どれほど可能性を無駄にしてきたかに気づきました。特に、「失敗する許可」という言葉には大きな衝撃を受けました。「諦めて途中で断念することはいけないこと」と思いこんでいたからです。しかし、著者の言葉によると、途中であきらめ自身の失敗を認めることは、悪いことではありません。むしろ、失敗と向き合うことによって、何がいけなかったのかがわかり、次への糧にすることができるのです。

 私は本書を通して、失敗を恐れず、苦手なことにも挑戦する勇気を得ました。それから、「○○することはいいこと」「△△することは悪いこと」などというふうに決め付けることの愚かしさを知りました。チャンスはいくらでもあるが、ただそのチャンスに気づいていないだけなのだということに気づかされました。

 何かに挑戦したいけど、なかなかそれに踏み出せず、迷っているという方にお勧めです。皆さんも是非一度、手にとってみてください。