『美しい国ブータン : ヒマラヤの秘境のブータンに学ぶ「人間の幸せ」とは!? 』


著者情報等平山修一著、リヨン社、2007.
寄稿者名3年生 規工川 智美(2013年1月)
本学所蔵なし
今回、私が紹介する本は「美しい国 ブータン」である。本書は、昨年夏に行われた海外研修に向け、ブータンについて調べている際に、私が手に取った本の中の1冊である。
 普段生活をしている中で、「幸せ」とは何かということを考える時間はあまりない。しかし、本書では幸せについて考えることは、自分自身の価値観や考え方を見直す契機となることに気付かせてくれる。
 ブータンという国は、国の指標にGDP(国民総生産)ではなく、GNH(国民総幸福量)という考え方を用い、国民の幸福の実現を目指している国として知られている。ブータンは決して物質的に豊かな状況であるとは言えず発展途上の国であるが、国勢調査(2005年)では、ブータン国民の約97%が幸せと回答している。私は、なぜこんなにも多くの国民が幸せと答えているのか疑問であった。本書の中では、ブータンの人々が、どのような考えや、価値観を持ち、幸せと感じているのかということを、ブータンの美しい自然などを交えながら描いており、疑問を解き明かしてくれた。

   As time goes by・・・・・・
   自然に身を任せ、心をゆったり構えてみると、多くのことがいかに心の持ち様で見え方が変わることに気がつく。

 本書の中で私が最も印象に残っている一文である。
 本書の著者である平山修一氏と、ブータンでお会いし、本書について少しお話することができた。その際に、平山さんは「この本には、ブータンを知るためのエッセンスが詰まっています。」と言われていた。ブータンという一つの小さな国から、新たな文化や価値観を知ることで、普段見えていなかったことが見えるようになったり、見え方が変わることがあるのではないだろうか。
 ブータンに興味がある方もない方も、本書をとても楽しむことができると思う。ぜひ、一度手にとっていただきたい。