【1年生の岩波新書感想文】『障害者とスポーツ』


著者情報等高橋明著、岩波書店、2004.
寄稿者名1年生 久野 みどり(2012年6月)
本学所蔵なし
私は、体を動かすことが好きで幼いころから様々なスポーツに挑戦してきました。この新書を選んだ理由もタイトルに「スポーツ」という言葉が入っていたので魅力を感じたからです。現代の社会では、趣味や健康のためにスポーツを行う人が増加傾向にあり様々な新しいトレーニング方法もあります。その中の1つが障害者のスポーツであり多くの種目がありました。
 私が生活する身の回りで最近「障害」という言葉を耳にしませんが、小中学生のころ同じクラスに障害のある女の子がいました。低学年のころはほぼ同じことがこなせていましたが、学年が上がるごとに同じようにこなせないことが増えていました。しかし、できないことができるようになった際の喜びはとても大きく、私たちも何事に対しても努力をすることを欠かさない気持ちや勇気をもらいました。また、私たちもどうやったら一緒にやることができるかと様々な方向から1つのことに対して考えることを学び成長することができました。
 現代社会では、高齢化にともなう障害者の増加が問題としてあげられています。現在、高齢者のうち約一割に何らかの障害があるといわれており、高齢になれば身体能力が衰え様々な面で不自由な行動が増加していきます。このことは、高齢化社会の進行と障害のある人の増加には密接な関係があるのではないかと専門家たちの間でいわれています。筆者の持論は「義足とメガネは一緒」です。目が悪ければメガネをかけること、足に障害があれば車椅子を使用することや義足で補うことは同じことである、「不便さを補う補助具」という点から「義足とメガネは一緒」という考え方ができるのではないかと述べられています。私は著者の考え方をこの新書で知り素晴らしい考え方だと思いました。「何ができないか」ではなく「何ができるか」を考えて工夫することが大切なポイントです。本文に挙げられている例として、「障害者のスポーツ」があります。障害者のスポーツとは、一般的に知られているスポーツを用具やルールを工夫しながら行うスポーツです。障害の種類や程度(不自由さ)に応じて、同じ程度の障害のある人同士で競技ができるように障害の程度別にクラス分けがされています。シドニーパラリンピック(2000年)では、18競技551種目が行われました。
 4年間の学生生活や病院での実習、卒業後の就職先などで様々な障害のある方と接することになると思います。そのような際「障害があるから…」と決めつけたように接するのではなく、障害のある方の様子を見て相手の状態を読み取り接することができる看護師を目指したいと思います。学習面、生活面で4年間努力を怠らず心身共に成長できるように意志を持って取り組みたいと思います。また、看護の技術や知識は日々新しく更新されているので、患者さんが求めている医療を提供するために、自らも新しいことにチャレンジし知識を蓄え技術を磨いていきたいです。



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      喜多学長が、新入生に課題として出された「岩波新書の感想文」を
                シリーズで掲載しています。
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