開催日20130529
テーマベトナムでの看護活動
講師木田綾子氏

ベトナムでの看護活動

 

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第4回ランチョンミーティングでは、2011年3月24日~2013年3月23日までJICAの青年海外協力隊としてベトナムで看護活動をされた木田綾子さんのお話をお聞きすることができました。

木田さんはベトナムの民族衣装であるアオザイを着て登場され、日本のICUでの経験を活かし、実際にベトナムのICUで取り組まれたゴミ袋を用いた洗髪や看護学生への指導などの活動についてお話して下さいました。

木田さんのお話の中で「ベトナムにおいて、日本の素晴らしい医療は必ずしも正しくはない」という点に最も衝撃を受けました。ベトナム人は家族を最も大切にするため、日本のようにできるだけ最高の医療を受け、できるだけ長く生きることよりも、最期は家で家族が看取ることに価値を見出すそうです。これには、死んだ人を家にあげることができないというベトナムの文化も関係していました。また、「ベトナムでは看護師が観察やアセスメントを行うことはなく、処置が中心」という点にも驚きました。
私達看護学生は、患者の観察やアセスメントを行い「その人に合った食事方法はどういったものか」「その人に合った清拭方法はどういったものか」と患者の個別性を意識した日常生活援助に頭を抱えることが多いのではないでしょうか。それに対し、ベトナムではICUという患者の状態が変わりやすい場においても患者の身の回りのことは家族が行うのが一般的で、看護師が介入することはないそうです。ベトナムと日本では病院の看護師の役割が異なることを知りました。

木田さんのお話を受け、改めて日本とベトナムの文化・価値観、看護の違いを感じました。今年の国際保健・看護Ⅱの海外研修では8月上旬にベトナムを訪問する予定です。今回の木田さんの話を活かし、より多くのことを見て肌で感じ、学びたいと思います。