開催日20141117
テーマ北里大学夏期研修プログラムに参加しました
講師本学助手 金丸多恵、本学学部 3年生 唐田佳奈

北里大学夏期研修プログラムに参加しました

57_2 57

<写真左>UCLA看護学部の前にて
<写真右>UCLA看護実習室でのフィジカルアセスメント演習の様子(右側白衣はUCLAの大学院生)

私たちは2014年8月17日(日)から8月25日(月)までの9日間、北里大学夏期研修プログラムに参加しました。北里大学の学部生、大学院生と一緒に、UCLA(米国カリフォルニア大学ロサンゼルス校)の看護学部で上級看護実践に関する講義を受けました。また、UCLA医療センター、ロサンゼルスこども病院、社会的弱者のための医療施設(レスキューミッション)を見学し、アメリカの医療と看護について学びました。

上級看護実践には、専門看護師(CNS)、ナースプラクティショナー(NP)、助産師、看護麻酔師がいます。ここでは、CNSとNP、看護麻酔師について報告します。

上級看護実践者は大学院卒業が条件になっています。複雑な健康問題に取り組むため、より高い専門性を持った能力が必要とされます。CNSは患者や家族への教育、看護師への教育、政策に関わっています。講義の中で「看護は科学であるため、常に看護をevidence basedで実践していくことが大切である。」という言葉が印象に残りました。この言葉は教科書にも載っています。教科書の言葉と実際に臨床の現場で実践されていることが繋がった瞬間でした。

次にナースプラクティショナーについて説明します。みなさんはNPという言葉を聞いたことがありますか?NPは新生児、小児、成人、高齢者、精神、女性医学、悪性腫瘍など様々な専門分野で活躍しています。NPは実際に医学部の内容を学んでいるので、医者と重なる役割を持っています。そのため、常に自分が看護師であることを忘れないと話されていました。また、講義の中では「健康上の格差は社会におけるケア不足が原因。看護のプロフェッショナルは、政治的な原因によって生じる健康上の問題を指摘し、変革を促す義務がある。」という話がありました。看護師は専門職として社会的な問題を認識し、それにアプローチできる力があるのだと感じました。また、そのような考えを実践されている看護師がいることを知ってとても衝撃的でした。

最後に看護麻酔師についてです。看護麻酔師がいる点もアメリカと日本の違いだと思います。アメリカでは麻酔医師が不足している背景があり、1940年代から看護麻酔師が麻酔をしています。現在も麻酔医師が不足している地方で活躍しています。看護の視点を持ちながら麻酔医師と同様の仕事内容を行っているそうです。

私たちはこの研修を通して、看護師が専門職として、自律して誇りを持って働いている姿にとても刺激を受けました。同時に自律した専門職である看護師とは何を意味するかを考えさせられました。今後も世界に目を向けて、幅広い視野で看護を学び続けていきたいと思います。