学長室便り No.2 大学の認証評価:能動的な取り組みの大切さ

本学は、昨年度、大学設置基準協会による認証評価を受け、「適」の結果を頂きました。ことに、教育課程の評価についてはS評価を頂くことができました。つまり、皆さんが日々学んでいる教育の質が高く評価されたということです。大学は自律的な組織ですから、自主的な努力により、教育の質を評価し、向上するしくみを持たなくてはなりません。そして、その評価について適切な情報公表とあわせて社会に説明する責務を果たすことが求められています。そのために、大学は、建学の精神や特色等を踏まえ、ディプロマ・ポリシー、カリキュラム・ポリシー及びアドミッション・ポリシーに基づき、体系的で組織的な教育を行っています。そして、その成果を評価するための基準や実施方法などの方針を策定し、自己点検・評価を実施した上で、教育の改善・充実につなげるPDCAサイクルを回す取り組みをすすめています。

このような教育の質向上の取り組みには、学修者である学生による評価が不可欠です。大学として掲げた教育の目的が学修者からみて本当に自身の能力や力として身についているのか、学修を促進する効果的な教育的なかかわりがなされ、適切なリソースやシステムが整えられているかについて、教員が一方的に評価するのではなく、学修者からのフィードバックが欠かせません。そのために、本学では、教育の評価の観点や評価基準の決定を学生とともに行う「ルーブリック」をカリキュラムに導入しています。ルーブリックは、ある課題について、自分たちで「活動の 目的・意味」をつくりだし,行動すべき具体的な内容を認識し,「目標」を設定し、相互に評価するものです。教育の質向上は、学修者が能動的に自身の学びについて道標を創ることで推進できるものです。より良い教育をめざし、ともに歩みを進めて参りましょう。

大学設置基準協会による認証評価では、大学の理念や特色のもとに、教育や研究の他、社会連携・貢献活動、学生生活支援、財務状況や管理運営、組織運営の適正で効果的な取り組みがなされているかが問われます。今回、いくつかの課題を指摘されおり、それらを改善する取り組みの一歩を踏み出しました。大学の自己評価をより能動的・効果的にすすめるために、質保証室 を新たに設置しました。自己点検・評価を次のステップにつなげるための検証等がすすめられます。大学の評価は、多様なステークホルダー(例えば、保護者や卒業生、連携大学、地域・コミュニティなど)との連携や協働のもとに、その相互性を活かした能動的な評価を積極的に進める必要性があります。社会に開かれた大学として、多様なつながりの中で、本学の良さを見出していけるよう努力を続けて参ります。