春を待つ私たちに向けて
どの人も、これまで体験したことのない一年間を過ごしてきました。
新しい年が明け、立春を迎えますが、緊急事態宣言下にある福岡では、まだ、春は先のように感じます。新しい生活様式の中で、人と人とが物理的に遠ざけられる状況が続いていますが、皆さん、様々な工夫をしながら、懸命に勉学を続けています。これから、学年末試験や国家試験を控え、ますます緊張がつづく状況ですが、この山場を乗り越え、春を迎えるために、今、全ての人々ともに、「よくがんばっています!」という労いの言葉を声にしてみましょう!
このような状況だからこそ、言葉は大きな力をもちます。言葉の魔術師である、詩人が集まり、言葉がいかなる力を持ち得るのかを模索するために、ネット上で「空気の日記」と題する企画が始まり、日本各地の詩人が参加し、1日ごとに交代で、身の回りの出来事や世界への思いなどを日記のようにつづっています。私は、心身共にエネルギーが枯渇したときに、この日記をみることで満ち足りた時を頂いています。
健康課題が長期化し、私たちの生活には、さまざまな制約を強いられていますが、心からの思いやりや労い、感謝の「言葉」は無限に発することができ、そのことできずなを深めることができます。一方で、心の中で淀んでいる辛さやわだかまりといった気持ちを「言葉」にして誰かに聞いてもらうことも忘れてはなりません。感染対策の徹底ととともに、誰もが孤独にならないために「言葉」を大切にした日常を送って参りましょう。春を待つワクワクした気持ちをぜひ、誰かに伝えてみてください。
2021年02月16日
学長 小松浩子