国際保健・看護Ⅱの科目において「外国人親子の生活の実体を知る」をテーマに、8月5日から8月10日、群馬県大泉町で研修を行いました。
大泉町は群馬県の東南に位置し、群馬県内で最も小さな町です。大泉町は人口の約2割が外国人で、そのうち7割がブラジルなどの南米系です。近年では、アジア系外国人も増えており、約50カ国以上の人たちが住むインターナショナルタウンへと変化している町です。南米系外国人が多い背景として、1908年に日本人が移民としてブラジルに渡り、その子にあたる日系ブラジル人が1990年に改正された入管法によって出稼ぎ労働者として来日し、定住しています。大泉町には工場が多く、正社員ではなく派遣社員として働いている人が多くいます。
私たちは、大泉町保健福祉総合センター、伊藤産婦人科、坂田保育園、西児童館、多文化コミュニティーセンター、わくわく広場スタディスポットの6箇所を訪問しました。各所での説明や見学を通して、活動の実際、外国人親子の生活の実態を知ることができました。各所では、言葉の壁が大きな課題であり、それぞれの場で通訳や携帯アプリを活用しながら外国人親子に関わっていることが分かりました。また、保健福祉総合センターでは、検診や健康体操、あそびの教室などが行われており、予防や早期発見に関するアプローチの有効性を再認識するとともに、国籍を問わず様々な人が共生するためには、生活における困難や不安、苦痛を取り除き、相互理解を深めることが大切であると実感しました。
今回の研修での学びをふまえ、対象者の意向や生活背景など様々な側面から全体像を理解し、常に相手のことを知ることに努め、看護を提供できるよう努力したいと思います。
伊藤産婦人科で、師長さんに外国にルーツを持つ妊婦さんの関わり方や課題を伺い、一緒に写真を撮らせていただきました
坂田保育園で、各教室の保育士さんから外国にルーツを持つ子供の様子や活動、課題を伺っている様子です
西児童館で、外国にルーツを持つ子供と学生が遊んでいる様子です
わくわく広場スタディスポットで、中学生に勉強やパソコンを教えているところを見学させてもらい、最後にボランティアの学生と写真を撮りました
多文化共生コミュニティセンターで、大泉町の役場の方から業務内容やGARAPA(外国人向けの町のお知らせ)などの説明を伺いました