6月28日、「地域における災害への備え」をテーマに第22回国際シンポジウム・第13回国際ファーラムを開催しました。
国際シンポジウムでは、学生グループが宗像市の「まちの課題プロジェクト」として、地島で行ってきた3年間の活動について報告がありました。
地島は、宗像市に位置する小さな島で、高齢化率が48.9%と高く、離島である特徴からも災害時は住民同士が支えあう必要があります。このような特徴を持つ離島を対象に、1年目は主な居住区や公共施設、道路の調査を行い危険地域を地図に記すことや、島民へのインタビューなどが行われていました。2年目は、自治会長や民生委員、消防団員を対象とした防災教室の開催、3年目には全住民を対象とした防災教室が開催されています。特に3年目は地元の小学校に赴き、事前学習や準備を行うことで、継続的な防災意識の向上を目指していました。また、防災リュックの詰め方についての実演もあり、実際に体験することにより理解が深まりました。
国際フォーラムでは、ハワイ大学のGary Glauberman先生と岡田先生より、昨年起きたマウイ島の山火事と、ハワイ州での防災活動についてご講演頂きました。先住民や移民も暮らす、文化的多様性の高いハワイにおいて災害時にどのようなことが障壁になるのか、災害対策に看護はどのような役割を担うことができるのか語られました。看護の状況をアセスメントして言語化する力は、災害対策においても、コミュニティでの研究や地域の様々な背景を持つ集団に合わせた対応、活動のリーダーとして生かせる強みです。その地域が価値をおくものに目を向け、地域住民と時間をかけて関係性を築き、「災害に対する文化をどう作っていくか」を考えて実践していくことはとても重要な看護の役割であるとの話は看護師を目指す学生として印象に残りました。防災活動は、地域住民の連携と協力により成り立っています。住民一人ひとりが防災意識を高め、互いに支え合い、災害時の被害を最小限に抑えられるように、看護の強みを生かして看護師としてできることを考え取り組んでいくことが大切であることを学べました。
国際シンポジウム学生発表 |
Glauberman先生と岡田先生 |
国際フォーラム |
集合写真 |