今回は「災害時の高齢者の避難を考えよう」をテーマに老年看護の原田紀美枝准教授を講師に迎え開催いたしました。
前半の講義では、本学の教員グループの研究課題である宗像市民の災害に対する備えについて、本学の学生のまち歩きの結果等を踏まえてお話いただきました。また加齢に伴う心身の変化が、災害時の避難行動及び生活に及ぼす影響についても具体的にお話いただきました。
後半、参加者は高齢者疑似体験をしました。疑似体験スーツを着用すると、手と足の関節の動きが制限され腰を曲げた姿勢になるため、段差のある室内や廊下を歩行する際、参加者は普段よりゆっくりとして手助けを必要としていました。また、手の感覚が鈍くなる体験をするために手袋を着用すると、お薬に見立てたお菓子をシートから出す動作やお金を取り出す動作に苦戦する様子がみられました。その他、ゴーグルを使った白内障による視力の低下や視野が狭くなる状況を体験し、何気ない日常生活のさまざまな動作に制限や不便さを実感できたようでした。
参加者からは「疑似体験スーツを着て日常の動きを体験して、若い時には気付かなかったことを初めて気付かされた」や「地域の避難場所の他に、お年寄りが集まりやすい身近な避難場所の設定が必要だと思った」などの意見があり、具体的な対策を考えるきっかけになったようです。
参加者のアンケート結果では、講座参加後の満足度は4.63/5点と高く、参加者全員が公開講座を通して高齢者の特徴を理解し、防災・減災について考えることができたとご回答いただきました。
今年度は、3回シリーズで「防災・減災~いざという時に備えよう 地域で学ぶ防災・減災セミナー~」を開催いたしました。講義や演習を通してご参加いただきました方々が、初対面からお知り合いになり、互近助の力を発揮する「はじめの一歩」になれば幸いです。
ありがとうございました。
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食後のお薬を飲みます.「この薬の色は?なかなか出せません」 |
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