平成30年度 第1回ビブリオバトルを開催しました

6月6日に「平成30年度 第1回ビブリオバトル」を本学ラーニングコモンズで開催しました。参加者は、学内の学生、教職員だけでなく、宗像市民の方々にも足を運んでいただき、計26名の参加者が集まりました。
今回の発表者は、1年生の有吉さん、山部さん、2年生の清水さん、田中さんの計4名でした。発表者がおすすめしてくださった本は、以下の通りです。

1番手は、1年生の山部勇純さん。山部さんが大学受験を終えて、日々図書館に通いながら手にした本は『この世でいちばん大事な「カネ」の話』です。お金を大事に使うという考えは、人々の共通の認識ですが、お金を稼ぐことに囚われない生き方を選択した著者に共感したそうです。山部さんの発表を聞いて、これから社会人として収入を得る前の段階の大学生には、お金だけでなく働くことの意味を考える機会になる本であると思いました。

2番手は、2年生の田中汐佳さん。ミステリー小説の中でおすすめしたい本として、今回紹介した本は『朱色の研究』です。多彩な面を持ち合わせた登場人物だけでなく、人が持つ感情の描写に惹かれたと語ってくれました。読み手にとって分かりやすい言葉で表現された本書をおすすめしていただきました。

3番手は、2年生の清水美冴さん。「被差別部落」を詳しく学びたいと思い、手にしたおすすめ本は、『絶望の移民史―満州へ送られた「被差別部落」の記録』です。清水さんは、この本を読んで、「被差別部落」の歴史を知るとともに、差別を受けた人の心情の理解に繋がったそうです。差別を無くす社会を目指し、我が国は対策を講ずる運動に取り組んでいますが、差別が根絶しない現実を知る機会になったと語っていただきました。

4番手は、1年生の有吉悠樹さん。最後に発表した紹介本は、『世界から猫が消えたなら』です。脳腫瘍で余命わずかと宣告された主人公のお話です。主人公は、自己の命を延ばすことと引き換えてもらえるならば、日常生活にありふれた物を消されてしまって良いと判断してしまうお話です。人生の中で「何かを得るために、何かを失わなければならない」ことを迫られたとき、どのような行動を決断するのか、考える方法のヒントを得られそうな本でした。

お一人5分間の発表の後は、ビブリオバトルの公式ルールに則り、参加者全員で発表に対するディスカッションを2~3分行い、一番読みたいと思った本に投票を行いました。参加者から活発な質問や意見交換が行われました。そして投票の結果、1年生の山部さんが紹介した『この世でいちばん大事な「カネ」の話』が見事チャンプ本に選ばれました。

発表者の皆様は、限られた時間内で他者に本を紹介する難しさを感じていたかもしれません。しかし、発表者の熱い思いは参加者に伝わり、ビブリオバトルのキャッチコピーの通り「人を通して本を知る、本を通して人を知る」といった、手応えを感じた場になったのではないでしょうか。本学では、今後もビブリオバトルの開催を定期的に行い、本と人を介した交流を行いたいと企画しておりますので、多くの参加者をお待ちしています。

今回のビブリオバトルで選出された1年生の山部さんは、「ビブリオバトル九州A・Bブロック地区決戦(開催日時、場所未定)」に出場します。地区決戦の開催情報は、後日、本学ホームページでお知らせします。

2018.6.6 東優里子①(第1回ビブリオバトル)  

2018.6.6 東優里子②(第1回ビブリオバトル)

図書館運営委員会