知的書評合戦 ビブリオバトル(第1回学内予選会)を開催しました

6月28日、「2017(平成29)年度第1回ビブリオバトル」がラーニングコモンズで開催されました。今回は、宗像市民の方々、市民図書館の職員の方々にも聴衆者としてご参加いただき、参加者は計43名でした。
今回の発表者は、1年生2名、2年生2名の4名です。

1番手は、2年生の庄司結さん。表紙の美しさに惹かれ、手にした本は、『グッド・フライト、グッドナイト:パイロットがいざなう最高の空旅』。筆者の空への熱い想いに心を動かされ、庄司さん自身も空と航空機、そしてパイロットという職業に魅せられたという思いを率直に伝えてくれました。その素直な語り口に、読書後にみる空は、きっとこれまでとは違うものに感じるのだろうという期待を持ちました。

2番手は、2年生の佐々木彰子さん。本を選ぶ際、まずはタイトルからという佐々木さんの紹介本は、『世界が記憶であふれる前に』。8歳の夏から見たもの、触れたもの、すべての記憶を覚えている超記憶症候群のナノと彼女にお金を盗まれたソライの出会いから互いに心の距離を縮めていくというもの。一人の人間の存在が生きる力になる、ナノのソライヘの思いは佐々木さん自身の経験と重なるところがあったそうです。だからこそ文中にある記憶に訴える力強い言葉は、他者との関係に悩んだ際に癒やしになると語ってくれました。

3番手は、1年生の緒方千秋さん。紹介本は、小学3年生の時に初めて読んだときから大切にしている冒険小説『二分間の冒険』。ワクワク、ドキドキした体験は、今でも変わらない感動となっているようです。物語の最後を締めるキーワードは、今読み返すことで真の意味を理解するに至ったとのこと。本とともに成長した自身に出会えた驚きもワクワク、ドキドキした体験に含まれていたのではないのでしょうか。そこに今でも手放せないこの本の魅力があるようです。
最後を締めくくったのは、1年生の内丸未来さん。アニメをきっかけに、本も読みたいという思いで手にした『獣の奏者』。笑いあり、涙ありのファンタジー小説です。運命に翻弄されながらも苦難に立ち向かう主人公の姿。アニメから本の世界へとイメージを再構築しながら感じる面白さ。楽しそうに語る内丸さんの姿から、この本の面白さを一緒に体感して欲しいという気持ちがまっすぐに伝わってきました。

投票の結果、今回のチャンプ本は『グッド・フライト、グッドナイト:パイロットがいざなう最高の空旅』に決まりました。

ビブリオバトルを終え参加者の一人として。
一つを選ばなければならないことは、評価者としてつらいところです。ですが、5分という時間内に、語り手を介することで本の面白さをより一層感じることができます。ここにビブリオバトルへ参加する意義があります。今回、発表者と本との出逢いから各自各様、選んだジャンルもそれぞれでしたが、空へ、人生へ、そしてファンタジーの世界へと4つの紹介本を結ぶ鍵は、「冒険の旅」だったように思います。「さあ、一緒に読書の冒険を楽しみましょう」という誘いを断るわけにはいきませんよね。

発表者の皆様へ。
発表者の皆さんの次なる冒険はどこになるのかしら。そんなワクワクも感じています。ありがとうございました。

2017.06.28白倉理絵(第1回ビブリオバトル)①
2017.06.28白倉理絵(第1回ビブリオバトル)②