国際保健・看護II 今年で3年目!ベトナムでの研修を終えました

(写真上:マングローブ林) (写真下:ボートに乗り、マングローブ林の説明を受ける学生)

(写真上:マングローブ林)
(写真下:ボートに乗り、マングローブ林の説明を受ける学生)

 

(写真上:地域の人々に計画を発表する両国の学生) (写真下:ベトナム赤十字社表敬訪問の様子)

(写真上:地域の人々に計画を発表する両国の学生)
(写真下:ベトナム赤十字社表敬訪問の様子)

 

私たちは2015年8月4日から8月11日の8日間、国際保健・看護学IIの海外研修として、ベトナム社会主義共和国を訪問しました。一昨年・昨年に続き3度目となる今回は「災害と看護」というテーマのもと、自然災害の多いベトナムにおける保健医療・看護、災害とその対策事業について事前学習し、研修に臨みました。
研修初日には、本学の国際交流提携大学であるナムディン看護大学を訪問しました。ベトナム赤十字社講師による災害対策事業の講義を聴講し、地域の人々が直面する自然災害の被害を予防・軽減するための対策とその成果を学びました。なかでも災害対策のひとつであるマングローブ植林は、現在までに災害の被害の軽減と経済効果の面で大きな成果をあげており、今ではベトナムの災害対策に欠かせない存在にまで成長していました。
聴講後は「マングローブ林を維持するための方法」「災害発生時の避難計画」「災害発生時に救助が来るまでの24時間以内に必要なもの」について日越混合のグループごとに話し合い、計画を考えました。災害に関する内容を議論することは難しかったですが、ベトナムの学生と講義内容を振り返りながら話し合いを進めました。これらは研修3日目にマングローブ植林地を訪問した際に、地域に住む方々に発表しました。
研修4日目には、ナムディン総合病院を訪問し、ICU病棟と脳外科病棟に分かれて実習をしました。ベトナムの学生の協力のもと患者さんに血圧測定や寝衣交換を実施する中で、看護技術や病棟の環境、看護師の業務内容など多くの点で日本と異なることを学び、日本の看護や看護師の役割を振り返る機会になりました。5日目には、ナンヴァン村ヘルスセンターを訪問しました。小さな診療所が膨大な数の統計データを駆使して地域住民の健康状態と健康ニーズをアセスメントしたうえで保健活動を行っていました。最終日には、ベトナム赤十字社を表敬訪問し、国の主要な機関として、また各国の赤十字社の中でも積極的に活動する人道機関として、多くの役割を果たしていることが分かりました。その後ベトナム赤十字社が運営するドンアン診療所を訪問し、当該地域の巡回診療のシステムが確立されていることや、施設内に各専門分野の診察室が完備されていることから、診療所が地域の健康を一手に引き受けている状況にあることを学びました。
ベトナムの看護学生と共に患者さんに関わる中で、ベトナムの学生には自分の知識や技術を活用してどんどん実践していく積極的な姿勢や、自分の意見を試行錯誤しながらも相手に伝えようとする姿勢がありました。彼女たちと共に学ぶ機会を得たことで、私達はこれまでの学習態度や看護への取り組み方を振り返り、ひとりひとりが課題を見つけました。今後は、研修で気付いた課題を克服するために、ひとつひとつの学びを着実に積み重ね、看護実践に繋げていきます。