知的書評合戦 ビブリオバトル(第2回学内予選会)を開催しました

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2014年10月14日、ランチョンミーティングで今年度2回目の「ビブリオバトル」を開催しました。「ビブリオバトル」とは、出場者がおすすめの本を持ち寄り、5分間でその魅力を語って、会場で聞いていた人がどの本が一番読みたくなったかを投票し、「チャンプ」を決めるゲームです。大学生参加の大会が、毎年1回、全国規模で行われています。
今回の出場者は、1年生の吉田恵さん、3年生の冨永花子さん、山下恵李圭さん、4年生の岩見隆さん、内村亜里紗さんの計5名です。
トップバッターは岩見さん。お勧めは、児童文学のノーベル賞とも言われる国際アンデルセン賞を受賞した上橋菜穂子著『狐笛のかなた』です。狐と少女が争いに巻き込まれ、それぞれが孤独に立ち向かいながらもお互いを思いやる、その姿に心が温まる物語です。「日本の美しい風景も描かれ、懐かしい気持ちにさせてくれる。この物語ほど和を繊細に表現しているものはないと思う」と穏やかに語る中に、本への熱い想いがうかがえました。
2番手の内村さんの御推薦は、エリカ著『ニューヨークの女性の「強く美しく」生きる方法』です。就職試験終了後に立ち寄った書店でふと目に留まったという本書、著者はニューヨークで働く日本人の女性起業家です。出会った人々やさまざまな経験から著者が学んだ「強く美しく生きる方法」が述べられています。レポートや試験に追われ、将来にも少し不安を覚えているときに「こんな考え方があるんだ!」と気付かせてくれたと語ってくれた内村さんの目も、「強くて美しい」目でした。
3番手の冨永さんが勧めてくれたのは、赤尾和美著『この小さな笑顔のために:日本人ナースのカンボジア奮闘日記』です。この本を手にしたのは、今夏、カンボジアの小児病院を訪問し、そこで看護師として働く著者に会ったことがきっかけだったそうです。日記形式で読みやすく、看護や衛生に対するカンボジアと日本の考え方の違いや、カンボジアの医療問題について深く考えさせられる一冊だと紹介してくれました。
4番手の山下さんのお勧めは、ニコル・テイラーによる文章とレナルト・ニルソンによる写真で構成された『赤ちゃんの誕生』で、山下さんはこの本と保育園児のときに出会ったそうです。1996年に出版された胎児の写真集ですが、「どの写真も美しく、どうやって撮ったのだろうと不思議に思う。神秘的な感動を与えてくれる。将来助産師になりたいと思うきっかけとなった本」だと紹介してくれました。実際の写真は敢えて見せない、巧みなプレゼンに、参加者の関心はいっそう高まったようでした。
最後の発表は、前回に続き2回目の出場となる1年生の吉田さん。お勧めは、乾くるみ著『リピート』です。「リピート」とは、現在の記憶を持ったまま半年前に戻って人生をやり直すことができること。学生や社会人、さまざまな立場の登場人物がリピートしてどう生き直すかが描かれています。「人生を何度もリピートできると、人はいい加減に生きるようになる。今を一所懸命生きようと思うから、多くのことを吸収できる。やり直せると思うと成長しないし、自分のためにならないと思う」と語る吉田さんの言葉に、深くうなずく参加者の姿も見られました。
投票の結果、チャンプ本となったのは、1年生の吉田さんが推薦した『リピート』でした。吉田さんと、前回のビブリオバトルで選出された2年生の鹿子島さんは、12月に京都で開催される「全国ビブリオバトル大会」の出場権をかけた「九州北部地区決選」への出場することができます。
地区決選の開催情報は、後日ホームページ等でもお知らせします。皆さん、ぜひ二人を応援してください!