ICM (International Confederation of Midwives) とは1919年に創立された国際助産師職能団体です。ICMは、妊娠・出産・子育て期にある女性、新生児、そしてその家族が、これまでよりも改善された成果を手に入れることできるという助産師の目標を世界規模で推進しています。
2014年6月1日から5日まで、第30回国際助産師連盟(ICM)大会(世界各地で3年に一度開催される)がチェコ共和国のプラハで開催されました。大会のテーマは”Midwives : Improving Women’s Health Globally”でした。助産師の活動は、性教育、避妊・不妊相談、正常な妊婦・褥婦の全体のケア、分娩や人工妊娠中絶、母乳・育児等の現場でケアを行うなど多岐にわたっています。そのため、妊産婦の健康状態の改善または女性の健康の質の向上のための助産師が果たすべき役割の重要性が、世界の保健医療機関から再び注目を集めています。大会期間中は世界各地から過去最高となる3500人の助産師が訪れました。3千以上の演題、フォーラム、シンポジウム、ワークショップなどを通して世界の助産実践、助産師教育や助産規制(業務範囲、基礎教育、資格の登録、資格の更新と継続的な能力、懲罰、行動規範と倫理綱領)の強化による助産の質の保証と、助産師を支えるネットワークや職能団体の組織強化(パートナシップ・Twinning)が強調されました。
日本からも日本助産師会、日本看護協会を中心に260名を超える参加があり、口頭発表、ポスター発表、セッション座長、情報提供に積極的に取り組んでいました。本学からは褥婦の尿失禁、腱鞘炎に関する共同研究成果、2つの演題発表を行いました。1つ目は本学教員の後藤と大塚の演題“Impact of stress urinary incontinence (SUI) in the postpartum: Japanese women’s experiences and care needs”、2つ目は、私(エレーラ)、佐賀大学佐藤珠美教授(本学元教授)、本学修士課程修了生中村友美氏による演題”Midwives and the prevention, early detection and management of hand and wrist problems of the postpartum”でした。
助産師の熱い想いとエネルギーに包まれた大会でした。