2月23日から27日までアメリカはイリノイ州、ロックフォード市にある聖アンソニー看護大学(St. Anthony College of Nursing: SACN)を五十嵐国際看護実践研究センター長と助手の橋爪で訪れました。往復に30時間以上かけて行き、滞在時間はわずか2日半という強行スケジュールでしたが、SACNの皆様に温かく迎えていただき、充実した訪問となりました。
訪問の目的は、SACNと本学の国際交流・交換プログラム提携に関する協議を行うこと、関連施設の見学を行うことです。本学は、2年前からSACNの数名の教授を招き、本学の国際フォーラムで講演していただいたり、学部生が研究発表を行ったりするなど、SACNとの間で少しずつ交流を始めていました。今後は、広い視野を持った人材を育成していくために、また、お互いの大学の学生や教員の相互交流を積極的に行っていくために正式に提携を結ぶこととしました。
SACNと本学は、大学の規模や理念において共通するところが多く、お互いに親近感を持って前向きな協議ができたのではないかと思います。滞在2日目に訪れた、ロックフォード市から車で3時間のペオリア市郊外にある聖フランシス修道会(Order of St. Francis:OSF)の本部(Mother House)のジュデス・アン・デュバル院長も共通の理念を持った本学との提携に強い関心を示されていました。
関連施設見学としては、OSF聖アンソニーメディカルセンターとペオリアにあるOSF聖フランシスメディカルセンター、イリノイ子ども病院とジャンプトレーディングシミュレーション教育センターを見学させていただきました。どちらの病院も壁や掲示板にはこれまでの研究の成果などがグラフにして張り出されていたり、ケアリングのモデル図がいたるところに張られていたりと常に看護や医療の質の向上を意識づけているように感じました。シミュレーションセンターは、最新のシミュレーション機器がそろっており、同じ系列の病院の集合新人研修を行うなど周辺地域の教育や研究を一手に担っている施設でした。このような環境が大学や病院のすぐ近くにあるというのは医療の質の向上に大いに役立っていると思います。
今回は、提携に関する協議を行うために訪問しましたが、目的の達成はもとより、実際に交流をすることがいかに大切かということを実感しました。今回の訪問を通して、たとえ短い期間であっても、現地の人々と実際に会って、話をすることで遠い国の人々であった人々が身近な存在になりました。この国際交流・交換プログラムを通して、学生や教員がこのような体験をすることが世界をより身近に感じ、視野を広げられる良い機会になるのではないかと思いました。