解剖実習見学に参加しました

5月15日に久留米大学医学部での解剖学実習の見学に参加しました。この実習を通して、一年次に「人体の構造と機能」で学んだことや、日頃当たり前のように使うようになっていた人体の構造の専門用語の意味が鮮明になったように感じています。例えば、動脈と静脈の働きの違いはわかりますが、見た目上の違いはいまいちわかっておらず、曖昧でした。それは臓器の色や神経や膜、結合組織などにも言えることであり、自分がイメージしていた色や形が異なることもありました。また、講義で聞いたことが事実であり、実際に自分の目で見られることに感動しました。御献体くださった方やその御家族の方、大学の先生方にこのような貴重な機会を与えていただき、感謝しています。このご厚意を無駄にすることなく、この実習で学び、感じたことをこの先ずっと生かしていきたいと感じました。

実習の中では、特に神経や動脈と静脈などの血管や心臓のことが印象に残っています。神経は、軸索や樹状突起などから構成されていると学びましたが、頼りない糸みたいなものであるイメージでした。しかし、実際は強い線維性組織からなっており、頼もしさと同時にこれが運動機能や感覚機能に情報を伝え、受け取っていることに改めて驚きました。また動脈や静脈は感触の違いや見た目の違いが思っていたより顕著であり、そのような形状になる理由はそれぞれの働きを考えるとわかりやすいと感じました。最後に最も印象的だったのが心臓です。心臓は手のひらぐらいしかない大きさであるのに、その何倍の大きさもある全身に血液を供給しています。この実習を通して、生命のすごさを改めて思い知りました。

この実習では、時間内に数体の御献体を観察しましたが、それぞれ違いがありました。今まで人体の基本を学んでいましたが、それだけではなく、人によって、生まれつきや環境などによって異なることも学びました。構造は一人ひとりバリエーションがあり、亡くなるときの体勢によって血液が肺に溜まる位置が違うことも分かりました。自分も含め周りの人にもバリエーションがありうるのだと思うと興味深いと感じました。また、肺に血液が溜まっているのを見て、気管内に分泌物がたまらないようにするための体位変換が必要になるのだということが理解でき、人体の構造と、現在、講義を受けている治療と援助を関連させて考えることが必要だと改めて実感しました。

この実習のために予習をしていましたが、不十分である部分が多かったと感じました。この機会を生かし、今後も勉学に励みたいと考えています。