JICA集団研修に参加した教員・学生の声を掲載しています

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≪教員の声≫
-本学の国際活動としてのJICA研修-

JICA(国際協力機構)は全世界の人々に日本で学ぶ研修の機会を提供しており、年間約1万人の外国人がJICAの招きによって来日しています。本学は、国際活動の一環として、開学から今までに45のJICAの支援による医療保健関連の研修を担当し、263名の医療保健専門家を受け入れました。受け入れに際しては、本学の教員数名が運営担当チームを作って講義や演習、諸施設の見学などを含む研修プログラムを立案し、運営します。それ以外の教員も、講師として講義や演習を担当したり、聴講者として議論に加わったり、歓迎ランチ等の催しに参加したりします。教員だけでなく、学生や職員のすべてに聴講や見学同行の機会が認められており、居ながらにして異文化と保健を通した国際協力を体験する場となっています。

今回のJICA研修「保健人材育成-地方村落における地域保健-」には、教職員のほかに、後期授業を終えた8名の学部生・大学院生が聴講や施設見学への同行を行いました。学生たちは、世界各国の医療保健のまさに最前線で活躍している専門家と顔を合わせてコミュニケーションを取り、英語による講義を受け、英語でのディスカッションに加わるという本物の国際活動に参加し、国際性を磨きました。なかでも2年の大田彩加さんは3週間に亘ってほとんど全てのプログラムに参加して外国人と共に学び、自分の中で化学反応(爆発?)が起こることを経験しました。さて、大田さんにどのような変化が起きたのでしょう…?

4月には新入生を迎え、新年度が始まります。新年度も、学生や教職員が国際交流できる場を設ける予定です。なるべく多数の方がこの場を最大限に活用してくださるよう願っています。

≪学生の声≫
-JICA研修を聴講して-

コソボ、ケニア、スーダン、フィリピン、ネパール、ブルキナファソ、ジンバブエ、ラオス、リビアの9か国から14名の専門家を迎えて行われたJICA研修「保健人材育成-地方村落における地域保健-」のうち2月19日-3月14日の約3週間、私は学部の2年目を終えたばかりの一看護学生ですが、講義を聴講し、宗像市内外の施設見学にも同行する機会を得ました。

講義や見学を通して、日本における看護師、保健師、助産師の制度や教育課程、さまざまな歴史や法律、病院や保健センターでの状況などについて学び、私たちが普段受けている講義が何故必要なのか、現行の制度の成立の裏にどのような事情があったのか、初めてわかったことが多くありました。講義の多くは英語で行われ、レジュメも英語で、私の英語力では理解できないことばかりでしたが、理解したいという強い気持ちで、ひとつの単語も聞き逃さないよう集中して耳を傾けていると、90分の時間があっという間に過ぎました。毎日帰ってからレジュメの予習・復習をするのに何時間もかかりましたが、だんだん、少しは聞き取れる部分が出てきて、一部分でも聞き取れるようになると、さらに興味が湧いてきました。

この3週間の体験を通して最も強く感じたことは、世界中、どこに住んでいても人は同じ人であり、命は同じ命であるということです。普段の講義の中でもさまざまな国の状況について聞いていましたが、どこかで、自分たちとは違う別の世界のことのように感じていたと思います。今回、様々な国の保健専門家の人々に触れてみて、言葉、宗教、食べ物、感じ方、考え方など、異なることは多々ありますが、人として変わりはないと思いました。特に、怪我をしている人、病気で苦しんでいる人へ手を差し伸べる看護の行動、健康増進のために行動する保健の活動は、世界共通だと思いました。

この3週間は、刺激に満ちた、この上なく楽しく幸福な時間でした。研修員の皆さんとは、休憩時間だけでなく休日や講義後にも、一緒にショッピングに行くなど、多くの時間を共に過ごしました。それぞれの国のことだけでなく、家族のことや将来の夢や恋の話もしました。この日々が終わってほしくないと思いつつ迎えた最終日には、涙が出ました。

一方、自分の課題も見つかりました。最大の課題は英語です。挨拶程度であれば何とかなると思いましたが、本当に気持ちや考えを通じ合わせるためには、勉強が全く不十分だったことに気づきました。日に日に英語が話せないことへの悔しさが大きくなり、真面目に取り組んで来なかったことへの後悔が募りました。英語は、自分のしたいことをするためのもので、勉強する上で、目的・目標をしっかりと持っていなければならないと気づかされました。今回の研修で出会った皆さんとは、今後も連絡をとり、もっと話し、多くのことを知りたいと思います。それには、英語だけでなく、多くの地域、国のことを知る必要があることもわかりました。背景となる広い知識がなければ、本当の話はできないからです。今回感じた悔しさ、心残りを糧に、今後勉強していきたいと思います。

最後に、喜多学長、因教授、多くの先生方、この度は貴重な機会を頂きまして、本当にありがとうございました。JICAの川上さん、バシェルさん、コエチさん、フンギさん、エディさん、ブワクラさん、ソナンタさん、ソンマエさん、ボーサンタさん、ブリッシュさん、エミネさん、ゼニ―さん、タップスさん、アダルさん、エルナジールさん、私を仲間に入れてくださって、本当にありがとうございました。