コロラド大学を視察しました

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私たち、宇都宮、熊倉、苑田は、3年前から、福岡と沖縄両県の8看護系の「大学間連携共同教育推進事業」の平成24年度事業の一環として、2013年2月26~3月3日の間、コロラド大学に参りました。4泊6日の慌ただしいスケジュールでしたが、1日は“The 24th Annual Rocky Mountain Interdisciplinary Research Evidence-Based Practice Symposium”にも参加し、看護教育に関する学術集会を肌で感じ、また、研究発表の様子も見てくることができました。

大学では、関連施設の見学の他、看護学部副学部長や教職者とカリキュラムや研究の在り方を中心に「教育の質の保証と向上」について意見交換し、アメリカでは比較的早期離職が少ない同大学付属教育病院での現状を視察することができました。

コロラド大学で使用されていた治療用シミュレーターや、SP(Simulated patient;模擬患者)の協力を得た授業は本学でも取り入れているものの、使用法を工夫することで、技術能力だけでなくコミュニケーションやチームワークのあり方を修得させようとしていることは参考になりました。また、医学部や薬学部と共に授業を受けることを通じて、学生時代から多様な保健専門家が協同する現場に近い環境でトレーニングを積んでいることは、実務に就いた時のリアリティーショックを和らげるのではないかと、今回参加した私たち3人とも考えました。

更に、実践力のみでなく研究能力を備えた看護師育成のために、演習中に文献を探し、明確なエビデンスを理解しながら学習することで、学士としての論理的思考力を養っているように見えました。その教育法は実践的科学としての看護の場で、すぐに活用できるものであり、実践力と科学的思考を備えた看護職の育成につながっていると思いました。

今回の視察を通して、私たちが反省すべき点として、意見交換の場で発言のタイミングがつかめないこと、出来ることをきちんとアピールする力が弱いことなどを感じましたが、これは私たちに限らず、日本人に共通した謙虚でありすぎるという文化的背景もあるかと思いました。世界のより良い看護教育の構築のためには、色々な国の教育関係者と意見交換し、良いものを取り入れることが重要だろうと考えると、もっと日本と日本人は自信をもって、わが国の看護教育の良い部分をアピールすることが重要だと思いました。

この機会を与えられことを感謝し、今後、本学…日本の看護教育の高いレベルに自信を持ち、しっかりアピール出来るように、他の教職員をも巻き込みつつ、看護教育の向上につなげてまいります。