学部長挨拶

学部長挨拶

夢・希望を現実にしていくために

   あなたはなぜ看護を学ぶのでしょう。また、なぜ大学を選択したのでしょうか。
大学では「学問」することを学びます。正解があるものを教えられたとおりに覚える「勉強」に対し、「学問」は自分に課題を提示するところからはじまります。自身に課題を課し、答えを探し、検証し、結論や解答を導き出します。しかし、すぐには答えが見つからないこともあります。
また、一つの課題の解決は、新しい疑問や課題につながっています。
教えられることや現実をそのまま受け入れるのではなく、それに対して疑問を抱き、考え続けることが重要です。

   多くの方々は、将来、看護職として活躍することを考えていることと思います。
看護の現場は急速に変化しています。臨床では一つ一つの出来事が複雑になり、何が根本的問題であるのか、何が最もよい医療あるいはケアなのか、明確にできないことも多くなりました。
看護師も経験の期間や内容に関係なく、事象を多面的に捉え、早急な判断を求められる場面が増加しています。
大学で学ぶ知識や技術は、臨床で必要とされるもののごく一部です。医療や看護の変化に対応し発展に貢献していくためには、自身で課題を見出しつつ一生涯学び続けることが必要です。
大学ではその考え方の基本を学びます。

   あなたは、どんな看護職を目指し、どんなキャリアを形成したいと考えていますか。また、一人の人間としてどう生きたいと考えていますか。
うまくいく時もいかない時もあるでしょう。うまくいかない時こそ、自分が何を目指しているのかに立ち返ってみましょう。
   夢や希望の実現に向かって、日々を有意義に過ごされることを期待しています。

中村 光江
日本赤十字九州国際看護大学 学部長・教授