大学院科目等履修生(研究方法論)の声

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本年度前期の研究方法論の科目等履修生となり、大学院生と共に学ばせて頂いています。志願のきっかけは、勤務先(病院)の看護研究の指導者を育成するという目的で、上司からの勧めでした。
私は専門学校卒で、大学や大学院という未知の世界に魅力を感じていました。また、社会人として長い年月を過ごし、久しぶりの学生気分を味わえるという喜びもありました。

教室は、院生8人と私の計9人でしたので初めは緊張しましたが、温かい雰囲気で皆さんから気にかけて頂いて、毎週の授業が楽しみになりました。
しかし、仕事と並行して履修することは、予想していた通り大変でした。それは、仕事と家庭との時間配分が調整できなかったためだと思います。
また、これまで看護研究の系統だった学習をしていなかったので知識が足りず、院生の方と同じ知識レベルに持っていくためには時間がかかったからだと思われます。

研究方法論の授業については、主に文献レビューを行っていくものでした。これまで私が受講した研修などでは受け身の講義がほとんどだったため、自主的に学んでいくという方法に戸惑いを感じました。
研究の方法は研究の数だけあるといってもよいほど多様ですので、1つの方法を学んだとしても他の研究で必ず通用するわけではありません。
だから、他の院生の方の文献レビューのプレゼンを聞くこと、自分が文献レビューすること、お互いのレビューに対してディスカッションすることで研究方法論を学んでいるのだと考え、いろんな人の意見を素直に吸収して学ぼうという気持になりました。

今回、研究方法論を履修した目的である「看護研究の指導者としての成長」に成果があるのか、現時点では実感できません。
しかし文献レビューの視点は、研究計画書を作成するときの視点につながると思うので、計画書を作成するときの指導に役に立てることができるのではないかと考えます。
科目等履修生という制度を利用して大学院で学ぶことで刺激を受け、看護師人生の節目となるような経験ができたと思います。

大学院科目等履修生 中村 美保子