【1年生の岩波新書感想文】『宇宙から学ぶ : ユニバソロジのすすめ 』


著者情報等毛利 衛著、岩波書店、2011.
寄稿者名1年生 吉崎 友梨那(2012年6月)
本学所蔵なし
私が宇宙と聞いて連想するのは、とにかく壮大であり何もかもを覆い尽くす、もしくは包み込む暗い空間です。その中に今から46億年前、太陽系の形成とともに地球は誕生しました。初めは火の玉の様な状態だったが長い歳月をかけて、海に覆われた水惑星へと変わっていき、そして有機化合物が生成されるようになり、これが生命の元となります。生命の元から細胞が形成され、そこから様々な種の生物が誕生します。小さな有機化合物から進化を経て、今地球に存在する生物が誕生していると考えると、宇宙の奥深さや、生命の力強さが感じ取れます。
 宇宙から地球や生命の誕生を知りましたが、一体どのようにして今まで存続してきたのか、生命の固い繋がりを知りたくなりました。生命が誕生してからのこの長い月日を存続していくためには、多くの問題が生じると考えます。環境の大きな変化や食物連鎖など、越えなければならない壁が多くあります。まず、生物は常に呼吸をしており、酸素が必要になります。植物が葉緑体や太陽の光、二酸化炭素を使い酸素を供給してくれます。そのおかげで呼吸ができています。そして植物に必要なのは二酸化炭素であり、この二酸化炭素を私たち生物が供給しています。しかし人間は森林伐採を繰り返し、大切な植物を自ら手放しています。同時に環境破壊も進行してしまい、地球温暖化などが大きく問題になっています。
 生きるためには、食べることも大切です。例えば肉を食べるとします。肉を食べるには牛や豚、鳥などを犠牲にしなければなりません。魚も同様です。食べることにより、今を生きることができています。このようなサイクル、言い換えると食物連鎖は人間だけではなく、牛などの動物、魚なども行っており、繰り返すことによって、生命は続いてきました。日本では、食べる時に「いただきます」と言うことが習慣になっています。「(あなたの生命を)いただきます」という言葉は食べる事や生物に対しての感謝であると考えます。この素晴らしい習慣はこれからも文化として受け継がれていって欲しいと思います。
 今まで私たちは当たり前のように呼吸をし、物を食べ、休息を摂り毎日を過ごしてきました。あまり深く考えず、今を健康に生きていることに対してのありがたさを忘れてしまっています。生命は自分一人の力では繋いではいけません。生命として他者や他の生物とつながり、お互いに生存に関わる情報を伝え合い、共に生き延びていくことが重要だと考えます。
 この本には宇宙に関しての事柄しか書かれていないと思い、最初は読もうとは思いませんでした。しかし何気なく手に取り開いてみると、生命や人類のことについても書かれており、読めば読むほど生きることに対して感動し、奇跡が積み重なっていると感じるようになりました。この本を通して、生命の繋がりの固さ、周りの生物や環境との関わりの重要さを学ぶことができました。


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      喜多学長が、新入生に課題として出された「岩波新書の感想文」を
                シリーズで掲載しています。
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