『結局、「すぐやる人」がすべてを手に入れる:能力以上に結果が出る「行動力」の秘密』


著者情報等 藤由達藏著,青春出版社,2015.
寄稿者名1年生 高良 空虹(2015年12月)
本学所蔵なし
 『結局、「すぐやる人」がすべてを手に入れる』は、7月に出版されたばかりのビジネス従事者向けの指南書です。この題名を見て、ぐっと心を惹かれました。というのも私は、前から国際協力に関心があり、アフリカで活動している川原尚行氏による『行くぞ!ロシナンテス』を読んで河原さんの行動力に感銘を受け、ますます関心を高めていたのですが、日々の行動はどうかいうと、いや、自分は何もしていない…と忸怩たる思いがあったのです。題名の「すぐやる」という言葉に、何か行動を起こす鍵が見つけられるかもしれないと期待してこの本を手に取ると、こんなことが書いてありました。「本書はこんな人に最適です:『やらなきゃ』と思ってはいるのに腰が上がらない人;面倒くさくて、つい先送りにしてしまう人;いつもぎりぎりにならないと動けない人」…「やばーっ、ばれてる、まさに私のことだ!」と思いました。
 本書の著者、藤由達藏氏は、経営者、企業家から営業マンまで、様々な分野でクリエイティブな人生を切り拓くためのコーチングやサポートを行っている人です。「セミナールーム:ゴンマタス」という団体の責任者で、へミシンク・トレーナーやライフ&ビジネスコーチ、作家支援コーチなどの資格を持っていて、「夢は実現するためにある。人には無限の可能性がある」がモットーです。
 本書は五章から成り、「すぐやる人」に変わることを目標に、具体的な解決策や実践例が段階を踏んで提示されます。一文が短く、話し言葉で書かれているため、本を読んでいるというよりは、藤由氏の授業を聞いているような気持ちで読み進むことができます。第一章は、「まず、スタート」として、すぐに行動の出来ない人の共通点を知り、自分を認識し、自覚します。第二章は、どんどん行動を起こせる人の行動パターンを知り、それを自分のものにすることが目標です。第三章では、行動範囲を狭める原因となるマインドを変えるための、気分と視点の変換方法が説明されます。第四章では、行動して結果を出すために必須の、周りとの協働を進める方法が説明されます。どのように周りの人を巻き込んでいくか、なるほどと思う方法が書かれています。ラストの第五章では、行動を通して「ゴール」、つまり自分の夢や目標に近づくための考え方やコツが書かれています。
 みなさんの夢は何でしょうか。仕事の成功、家族や友人との素晴らしい関係づくりなど、それぞれにあるでしょうが、夢見るだけで実現に向かう具体的な行動には移さず、「いつかは」と先送りにしていませんか?初めに述べたように、私は本当に、立ち止まったままだったのです。しかし、この本を読んで、前に一歩踏み出せるような気がしてきました。みなさんも、今までの先送り人生から抜け出す鍵を見つけるために、この本を読んでみませんか。