開催日20211111
テーマ国内における災害発生時の救護活動の実際を知ろう‼ 被災地の病院で働く看護職の看護の実際
講師熊本赤十字病院 係長 橋田香 氏

2021年度 第3回ランチョンミーティングを開催しました

2021年11月11日(木)12:15~12:55、Zoomにて第3回ランチョンミーティングを開催しました。今回は「国内における災害発生時の救護活動の実際を知ろう‼」の第2弾として、On Line Liveにより熊本赤十字病院で助産師として働く橋田香係長にご講演をしていただきました。

2016年4月14日午後9時26分に熊本地方を震源とする最大震度7、マグニチュード6.5の前震が発生し、そしてわずか約28時間以内に震度7の地震が2度発生しました。最大震度1以上の地震回数は4,400回を上回り、特に発災後15日間における余震は過去の内陸型の地震に比べても多いそうです。
橋田係長のご講演で、被災地である熊本赤十字病院では、東日本大震災の教訓をもとに、入院患者、外来患者、地域住民に対する最善の医療看護が提供されていたことがよくわかりました。

今回の講演では、被災地の病院としての取り組み、産科病棟を中心とした妊産褥婦・新生児看護の実際、そして家族をもつ母としての地域との連携や協力やその時の心境についてもお話いただきました。ご講演を聴きながら「被災地となった場所で働く医療従事者も被災者である」ということは、頭では理解できていても、実際の災害の現場では忘れがちになることを実感した参加者も多くあったようです。

今回の講演の準備をする中で、「その時の状況を思い出し、少し苦しくなった」とおっしゃっていました。熊本地震から時間は経過していますが、被災地の方々の体験やその思いは深く心に残り、忘れることのできないものであるということを橋田係長の言葉からお伝えいただきました。

On Line Liveでの参加者は、32名の学生・教職員でした。11月18日から12月10日まで、オンデマンド配信を行いますので、より多くの学生・教職員のみなさまに視聴していただき、災害・減災に対する意識を高めていきたいと思います。講師の橋田係長には、日頃の業務に加えランチョンミーティングのご準備とお時間をただきありがとうございました。

以下、今回出席者の感想の一部を紹介します。
“今までは災害時の対応などを普段の保健指導などで行うという視点がなく、万が一に備えて、そういった支援も大切だなと感じました。普段からの備えをしっかり行っていこうと思います”

“災害はいつ起こるかわからないので、やはり常に災害時の対応ができるように準備をしたり、イメージトレーニングをする必要があると思いました。個人でできることには限界があるので、日頃から周囲の人たちとも災害時の対応をもっとすべきであるとも思います”

“被災地の病院職員として、助産師として、そして母としての災害時の看護や活動がとてもよくわかりました。看護職も家族は大切であることはとても重要なメッセージだと思いました。ぜひいろいろな機会でご講演していただきたいと思いました。

“今日の講演では、自分では気づかないうちに精神的なダメージを受けていたというところが印象に残りました。だからこそ、自分は絶対大丈夫だと思っている人にも心のケアは大切だと思ったし、そのことに気づけるようなケアも大切なのかなと思いました”

“今回のお話の中で、助産師として災害時に備え母親に対しての指導や知識を広めていくという部分がとても印象的でした。私は全体に共通している災害時での対策しか考えていませんでした。しかし、ただ単に高齢者、妊婦、子どもなどだけでなくどんな人がどんなことに困ることがあるかを見極め、それに応じた災害の対策を考えられるようにしたいと感じました”