開催日20150518
テーマ被災地のいま~地区踏査とボランティア活動から考える~
講師本学学部2年生

被災地のいま~地区踏査とボランティア活動から考える~

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学部2年生希望者が3月に宮城県で行ったボランティア活動についてランチョンミーティングを開催しました。この活動の主な内容は、本学のエイサーサークル「ゆいまーるのわ」によるエイサー披露や手踊り講座の開催、桜の壁画の制作です(詳しくはキャンパス日記「宮城県支部ボランティア活動に参加して」を参照)。

今回のランチョンミーティングは、被災地を実際に訪れたことで分かった被災地の現状や被災者の思いを伝えること、また、同じ大学に通う学生たちに大学の長期休暇を活用し被災地を訪れて欲しいと伝えることが目的でした。この理由として、実際に被災地を訪れたことで参加者の多くが今までどこか他人事であった震災を、現実に起こった出来事であると実感することができたからです。

女川町では、復興に向けた町づくりの姿勢について学びました。一つ目は、語り部ガイドの方から、「海の見えない町は女川町ではない」という考えで防波堤を作らず、住居を山側に移し町づくりを進めていることを伺いました。津波によって大きな被害を受けたにもかかわらず、今もなお、海と共存して行こうという住民の方の思いに、町づくりは、人がいて初めて成り立つものなのだということを知りました。二つ目は、女川町では津波によって横倒しになった交番を子供たちの津波の恐ろしさを忘れたくないという強い希望から残しているということを伺いました。実際に私たちもTVで映像として津波で流される建物などを見たことはありましたが、現実のこととしては想像できておらず、横倒しの交番をみて初めて現実に起こったことであると実感し衝撃を受けました。津波を知らない世代になっても、津波の恐ろしさを忘れないでいてほしいという、未来に目を向けることの大切さを知りました。

多賀城市でのボランティア活動の中では、被災後の環境の変化により辛い思いをしてきた方々の体験を伺うことができました。活動に笑顔で参加してくださいましたが、震災当時の状況や現在の生活状況など自らが体験してきたことになると、静かに私たちに語ってくださいました。未だに癒えることのない心の傷を抱えながらも、復興を願う被災者の姿から、人の強さを感じました。

今回のランチョンミーティングで活動報告をしたことにより、一人でも多くの人が被災地支援に興味を持ち、実際に被災地を訪れるきっかけになれば活動を行った意味はあったのではないかと思います。今回の活動にご協力いただきました関係者の皆様に心より感謝申し上げます。