開催日20170224
テーマ本学学生向けにJICA研修員より自国の保健医療を紹介していただきました
講師ヨルダン 保健省母子保健課 母子保健管理官 マリアム 氏 シエラレオネ 保健衛生省地域保健長 アブ氏

本学学生向けにJICA研修員より自国の保健医療を紹介していただきました

2月13日より、本学を拠点に開催中のJICA集団研修「地域保健人材育成」コースに参加している研修員2名に、自国の保健概況や職務内容について、本学学生向けに発表を行ってもらいました。

ヨルダンの保健事情について語るマリアムさん

ヨルダンの保健事情について語るマリアムさん

1人目は、ヨルダン出身の助産師で、現在、保健省母子保健課の母子保健管理官をしているマリアムさん。笑顔が素敵なマリアムさんは、自国の観光スポット、教育機関・医療機関を、写真を交えて紹介してくれました。ヨルダンはイスラエル、シリアの隣国であり、地理上、情勢が不安定だと思われていますが、実は比較的安定していて死海やぺトラ遺跡など有名な観光スポットが数多くあること、また、医療・教育に関しては、先進的な施設を持つ教育機関・医療機関があり、教育・医療の質も確保されていることを紹介。イメージとのギャップに、参加者からは驚きの声が聞かれました。発表最後に、彼女が現場で直面している課題として、ヨルダンの助産師に対する研修の機会が少ないこと、看護職の人材配置が不適切で職務意欲の低下につながっていることなどを挙げ、これらの問題解決のためのアクションプラン作成への意気込みを語ってくれました。

エボラ発生時の状況を熱く学生に語るアブさん

エボラ発生時の状況を熱く学生に語るアブさん

2人目の発表者、シエラレオネの保健衛生省地域保健長として、現在、地域保健行政官を取りまとめる立場にある研修員アブさんは、国旗の由来や地理、金やダイヤモンドなど天然資源に恵まれた国であることなど出身国について紹介してくれました。また、自国の保健概況についてお話しくださり、医療施設が紛争により破壊され、マラリアや急性呼吸器感染症、下痢などで今もなお感染症で多くの人が苦しみ、命を落としている現状を知ることができました。また、2014年のエボラ発生当時、最前線で対応した一人として、感染拡大の速さや、ケアをする中で感染した保健人材の損失を語ってくださり、私たちは、その影響の大きさを実感しました。

今回のランチョンミーティングは、それぞれの出身国について知ることができ、国際的な知見を広げるいい機会になったと思います。忙しい研修の合間をぬって準備してくださったマリアムさん、アブさん、ありがとうございました。