開催日20100517
テーマ宗像から世界へ ~二期生 橋爪亜希氏の挑戦~
講師師 本学二期生・オレゴン州立大学大学院生 橋爪亜希氏

宗像から世界へ ~二期生 橋爪亜希氏の挑戦~

 

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第4回のランチョン・ミーティングを5月13日に開催しました(第3回との同時開催)。本学卒業生(第二期生)で、本年9月からオレゴン州立大学大学院生としてPublic Healthを学ぶ予定の橋爪亜希氏から、留学を決意し現在に至るまでの軌跡が具体的に語られ、出席した学生は自分の将来の道について大きな夢を思い描き、その道を現実に辿りはじめる手がかりを得たことと思います。

橋爪氏が留学したいと思うようになったきっかけは小学生の頃見たTV番組だったそうです。その思いは次第に強くなり、いつしか、英語を学ぶためではなく、英語を使って何かを学ぶために留学したいと考えるようになりました。高校・大学、また、助産師として武蔵野赤十字病院で3年間の臨床経験を積む中でも「留学」への希望は変ることなく、この明確な目標に向かって資金を準備しました。

米国の大学院への入学許可を得るためには、何といっても英語力をつけ、その証明を獲得しなければなりません。そこでまず、米国の語学学校にはいり、そこで5ヶ月間学びました。そこには他にも同様の目的を持つ学生がいたそうですが、既に社会人となり生活費のすべてを自分の貯金から賄っていた橋爪氏には、生活に余裕のある他の学生とは違う苦労もありました。
家と学校・図書館を往復するだけの生活の中で、数々の難関を一つずつ突破していかなければなりませんでした。TOEFLの点数を上げることはもとより(目標は80点、これは従来の算定法ではほぼ550に相当する。現在は76点であるため入学までにあと少し上積みする必要があるという)、苦手な数学を英語で学習し、英語でエッセイを作成し、推薦状を英訳するなど、大変な苦労の連続でした。そしてついに、オレゴン州立大学Public Health分野への大学院入学許可という切符を掴みました。

橋爪氏はまた、ウガンダでのNGO活動に参加をした体験もお持ちで、これについても語ってくれました。Public Healthを専攻する上で、アフリカを見ておくことが大きな意味を持つことは言うまでもありません。橋爪氏はソーシャル・ネットワーキング・サポート内のコミュニティーを利用し、PRAfricaという団体の活動を知りました。
アフリカ現地を肌で感じたい、そして単なるスタディーツアーではなく一歩踏み込んで現地と関わりたいと考え、ウガンダでのNGO活動に参加することにしました。現地では図書館で活動を行いながら、他のNGOの活動を見学したり、村の子供たちと語りあったり、数々の貴重な体験を積んだということです。

今回の橋爪氏の体験を聞きながら、橋爪氏が数々の苦労を乗り越えるのを支えたのは「大学院に入る」という目的が明確にイメージされていたからだとしみじみ感じさせられました。二期生という身近な存在である橋爪氏の言葉の一つ一つ、そしてあの笑顔が、将来の可能性は世界にまで広がっていることを雄弁に語り、学生・教職員に希望の光を投げかけてくれました。