開催日20110707
テーマ国際協力のひとつのかたち
講師本学 助手 堀井聡子

国際協力のひとつのかたち

第3回のランチョン・ミーティングを7月7日に開催しました。今回の講師は本学助手の堀井聡子氏でした。堀井氏は本学着任までに西アフリカのブルキナファソにてJICA専門家として活動されていました。
講演では、JICA専門家となるきっかけとなったニジェール共和国での海外青年協力隊での活動の様子を中心に、JICA専門家の活動概要について語られました。本学の教員の国際活動について知ることができ、参加した学生の興味・関心が高まりました。

堀井氏が看護師を目指したきっかけは、いつか国際協力を行いたいと思ったことだったそうです。看護師として4年間外科病棟で経験を積み、JICAの技術協力のひとつである海外青年協力隊の看護師隊員としてニジェール共和国にて2年間活動しました。
この2年間の活動から、堀井氏は社会文化的要因を用いて健康問題を解決する力にできないかということに興味を抱き、大学院修士課程にて専門的な学習を行ったそうです。この興味は現在も堀井氏の大きな研究テーマとなっています。

大学院修士課程を卒業後、堀井氏はJICAの専門家として再び西アフリカの地に関わることになります。ブルキナファソでJICA企画調査員として現地の健康問題に対する情報収集、計画立案を行い、診療所や助産所の建設計画の立案、5S(整理・整頓・清潔・清掃・しつけ)の啓発活動、看護学校建設計画並びに学校運営強化支援、ブルキナファソ版のたまご学級の開催などを手がけたそうです。
このたまご学級は、本学が2003年からJICA関連事業として本学がモロッコ王国と行った地方村落妊産婦ケア改善プロジェクトの結果が、ブルキナファソまで波及して行われたものだったと言う話を聞き、多くの参加者を驚かせました。

堀井氏は最後に、国際協力に興味・関心を持つ参加学生に3つのメッセージを残しました。それは、「専門性を身につけること」、「コミュニケーション能力(人間力)を培うこと」、「ネットワークを構築すること」です。現在の学習が看護師・保健師として正しい知識・技術を身につけることにつながり、専門的な知識・技術を身につけることが国際協力を行う上では重要だと語られました。
また、大学の同級生とだけ交流を深めるのではなく、たくさんの人との交流を通して魅力的な人間となること、そして人と人とのネットワークを大事にすることの重要性を参加学生に伝え講演は締めくくられました。ただ大学の講義・演習をこなすだけでなく、これら3つのことを大学で実践することが未来の可能性を広げることにつながったことを知ったことは、学生にとって大きな収穫だったと思われます。