開催日20110512
テーマ創られる文化
講師本学 教授 鈴木清史

創られる文化

 

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2011年度第1回のランチョンミーティングとして、5月12日(木)に、本学教授鈴木清史氏による講演が行われました。
講演者は文化人類学を専攻しており、この日の講演はオーストラリアでの現地調査に基づく都市の先住民文化が話題になりました。

オーストラリアは外国生まれの人びとが移住してきて成立している多文化社会で、総人口の22%は外国生まれである(2006年国勢調査)。その中で、ヨーロッパ人が今のオーストラリアの基礎となる社会の建設を始めるはるか以前からこの地で暮らしている先住系の人びとは全人口の2%にすぎない。先住系の人びとはヨーロッパ人による植民地開発により土地や文化が破壊され、少数民族となれ、差別を受けてきました。

しかし、2000年のシドニーオリンピックの際に先住民文化がオーストラリアの象徴のように扱われ、世界中に伝えられた。そのことが、先住市民に自分たちの祖先の文化を考える機会を与えました。

民族文化への評価が転換する一例を提示した今回の講演は看護学生や看護教職員は異文化看護に考える貴重な機会となりました。