開催日20150717
テーマベトナム留学生フエさん 研修成果発表会
講師ナムディン看護大学 トゥオン・ティ・フエ 氏

ベトナム留学生フエさん 研修成果発表会

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今回は本学に国際交流協定校ナムディン看護大学から研究生として今年の5月から7月末まで来日されているTuong Thi Hue (トゥオン ティ フエ:フエさん)に研修の成果の発表をいただきました。

フエさんはベトナムにおいて皮膚看護の教員をされています。今回の留学の目的は質の高い講義・演習の授業計画案を作成できるようになることです。看護学生への講義・演習の授業デザイン・計画の作成について、講義・演習内容に関する説明の方法や、実際の看護技術・在宅看護の演習の見学、日本語で書かれた文献学習を通して、学ばれました。発表では、乾癬※患者ケアの授業デザイン・計画を実際に作成したお話をしてくださいました。作成には全行程を合わせると、約3週間かかったそうです。フエさんは、授業目標や、学生に期待することなど詳細な計画を作成されていました。この取り組みを通して、日本の科学的根拠に基づいた授業構築の方法について、実践的に学ぶことができたと研修の成果を話してくださいました。

施設見学では、血液センターと日本の高齢者を対象とする今津赤十字病院を見学されました。血液センター見学では、安全な血液を提供するために、検査・製剤に多くの人が関わっていることを知り、ベトナムでもその点に努力していかなければならないと話されました。今津赤十字病院では、病棟、ディケアを見学し、そこで行われている看護について学ばれました。現在、ベトナムでは高齢者医療の制度はありません。また、ナムディン看護大学には、在宅看護の科目はありません。ベトナムでは、将来的な人口構造の変化、高齢化に備え、今後の、高齢者の医療・看護の制度、教育を整備していくことが課題となっています。今回の見学を通して学んだ日本の医療・介護保険制度、病院の施設の環境・設備や看護の工夫点を、ベトナムに戻られてからの教育活動に生かしていきたいという思いを語ってくださいました。

最後に、フエさんは本学の学生に、人の命に関わる看護師になっていくためにしっかりと勉強をしてほしいと、メッセージをくださいました。日本語で作成したパワーポイントを使用し、流暢な日本語でご発表される姿に、フエさんの並々ならぬ努力を感じとって、学生も刺激を受けてくれたことと思います。今後のフエさんのご活躍が楽しみです。

※乾癬:非感染性の慢性皮膚疾患。赤い発疹と、その発疹の上にできるかさぶたのような皮膚がポロポロと剥がれ落ちるのが典型的な症状。