学長室便り No.1 多世代の人々とつながろう

   新型コロナウイルスの第7波が押し寄せています。ウイルスとの戦いは収束をみせていませんが、そのような中でも、私たちは感染予防行動を習慣化し、制約のある中で安全に生活を充実するための知恵や行いを身に付けてきました。一つの良い例が、サークル活動の再開です。自主的な活動を安全・安心を担保して再開するために、多くのエネルギーを費やしたと思います。サークルの目的や意義を見つめなおし、メンバーのやる気と絆を確かめ、新たなメンバーの参加を得ることは大変だったと思いますが、メンバー間の絆はさらに深まったと思います。5月以降、キャンパスにこだまする和太鼓やドラムのリズムは心に響き、気持ちを晴れ晴れとしてくれます。体育館では、バレー、バトミントン、弓道など気合の入った声と身体が躍動しています。どうぞ熱中症にならずに活動を継続してください。
   仲間との絆の深まりだけでなく、地域社会の人々とのつながりが拡がっています。5月の赤十字運動月間には、「みんなで人道について考える すべての人々に尊厳を 人道の実現のために最善をつくそう」というテーマをもとに、企画展を開催し、地域の人々とともに人道について考える機会を持つことができました。写真やレポートを解説する学生の言葉に、熱心に耳を傾ける小学生の姿がありました。また、5月末には、大島において水害対応訓練に学生、教員が参加し、島民の皆様、福岡海上保安部、福岡県警察本部、陸上自衛隊などの関係機関の皆様とともに、地域防災力の強化に努めました。多世代、多様な機関の方々との連携・協力を抜きには、かけがえのない命と尊厳を守ることはできないという現実と意義を感じた一日であったと思います。
   危機の時代に未来を描くことが難しい日々ですが、私たちは一人でないことを忘れず、周りの人々とつながる機会を得ることで、心と身体のエネルギーチャージを高めていくことができます。心身のエネルギー交換がすすむと前向きな気持ちや未来を見通す力が備わることが研究データでも示されています。

   これから楽しみにしている夏休みは、「多世代の人々とつながる」絶好の機会です。感染対策を万全にしたうえで、皆さんの心身のエネルギーチャージができることを願っています。

学長 小松浩子