「がんばれ共和国 阿蘇ぼうキャンプ」にボランティアとして参加しました

今年も認定NPO法人難病のこども支援ネットワークが主催するサマーキャンプ「阿蘇ぼうキャンプ」に学生23名がボランティアとして参加しました。下に、3名の学生のレポートを掲載します。

<4年生 邊保 光加>
8月23日から25日の2泊3日、「第26回がんばれ共和国 阿蘇ぼうキャンプ」に本学から23名がボランティアとして参加しました。また、本学を卒業した先輩方4名が、看護師としてキャンプに参加されていました。このキャンプは難病のこども支援全国ネットワークが、難病や障がいのある子供たちとその家族を対象に毎年開催しています。キャンパー(難病や障がいのある子供たち)とキッズ(キャンパーの兄弟)・キャンパーの家族が、ボランティアの方々と様々なイベントやレクリエーションを一緒に行い楽しく過ごします。キャンパーのお父さんお母さん方には、同じ病気や障がいを持つ親同士の交流の場も設けることで、情報交換を行う機会となっていました。

イベントの企画や準備を行うにあたって、運営の方や私たちボランティアは「安心と安全」を第一に考えました。一日目は、阿蘇ぼうキャンプの会長の「おかえりなさい」という挨拶でがんばれ共和国の建国式がスタートしました。夜には「はじめまして赤ちゃん」を歌われているiimaさんによるライブがありました。参加者全員が音楽に聞き入り、涙を流すご家族の姿もありました。そして、翌朝にはアンコールライブもありました。音楽は、老若男女問わないコミュニケーションのルーツであることを感じました。二日目の夜には、去年に引き続き日赤看護大学と麻生専門学校の学生が屋台を開き、夏祭りを開催しました。みんな浴衣に着替えて、家族やボランティアの方と一緒に楽しく参加しており、参加している方々全員が笑顔で、会場は笑い声や屋台の遊びに挑戦するキャンパーやキッズに向けた声援で溢れました。
 
私は、今回2回目の参加でした。1回目よりも一層キャンパーや家族と交流ができ、良好な関係が築けたと考えています。今回は、初参加のキャンパーを担当させていただきました。初対面の時のご家族の様子は、不安や緊張に溢れていました。しかし、帰るときには、達成感と名残惜しさに溢れた様子で、来年も参加したいと言っておられました。病気や障がいを抱え、感情を表現することが難しくても、一緒に時間を過ごす中で微々たるものではあっても喜怒哀楽を表現しており、徐々に意思疎通が取れてくる嬉しさがありました。またキャンパーの家族とも親密に関われることで、家族の思いや願いを聞くことができ、貴重な経験となりました。キャンプに参加し、たくさんの思い出と学びがありました。看護学生のうちに、このようなキャンプに参加できたことを感謝しています。来春卒業しても仕事の休みが合えば参加したいと思います。

<3年生 桐谷 彩>
今回、初めて阿蘇ぼうキャンプに参加し、障がいを持った方とご家族の方々と3日間一緒に過ごしました。障がいを持った方とコミュニケーションをとったり一緒に行動したりする中で、時間が経つにつれて表情や身体の動きから訴えていることや感じていることなどをだんだん読みとれるようになりました。ご家族は、「出来るだけ外出させてあげたい」という思いがあり、このキャンプに参加するために、達成できるような小さな目標を設定し、日々過ごしていて、日常生活を送るうえで必要なケアを病院の看護師に聞いたりして勉強したと話していました。私は、ご家族のお話を聞いて、親子で過ごす時間を大切にして、すごく努力されているんだなと感じました。

一緒に食事や入浴をしたり、コンサート、夏まつりに参加したりするなど、とても楽しく充実した3日間を過ごすことができました。また、このキャンプに参加して、たくさんの学びが得られ、貴重な経験となりました。

<1年生 武藤 早紀>
私は、今回初めてこのキャンプに参加させていただきました。キャンプ当日は、キャンパーを楽しませることができるのか、キャンパーと仲良くなれるのかという不安がありました。また、キャンパーのご家族の方から、「自立のために、できるだけ、自分のことは自分でさせるようにしている。」というお話がありました。そのため、できることは自力でしてもらおうと考えたのですが、キャンパーがどこまでを自力でできて、どこからが援助を必要としているのかをつかむのが最初は難しかったです。しかし、積極的にコミュニケーションをとったり、笑顔で接したりすることで、キャンパーも心を開いてくれるようになり、不安が消え、また援助の方法や、タイミングが分かるようになりました。

夏祭りでは、すべてのキャンパーやキッズに楽しんでもらえるようにするにはどうしたらいいのかを準備の段階から考えていました。しかし、これが思っていたより難しかったです。夏祭り当日は、キャンパーやキッズが楽しんでくれるか、うまく運営できるか心配でしたが、皆さんが楽しんでくれて、キャンパーのご家族のたくさんの笑顔が見ることができ、夏祭りを成功させることができてよかったです。

予定されていた花火や熱気球体験は、悪天候で中止となってしまいましたが、キャンパーとクイズやぬり絵、夏祭りといった活動で親睦を深めることができ、楽しい時間を過ごすことができました。
私は、このキャンプの中で印象に残ったことが大きく2つあります。

1つ目は、キャンパーのご家族が、「Aが生まれてきて来てくれたおかげで」という言葉を多くおっしゃっていたことです。私は、このことから、キャンパーの障害をマイナスに捉えるのではなく、プラスに捉えているご家族の姿に感銘を受けました。また、家族の話を楽しそうにするキャンパーの姿も見て、互いのことを大切に思いやっている家族の絆を感じることができました。

2つ目は、キャンパーの車いすの援助をしているとき、開き戸や、少しの段差が、車いすでの活動の妨げとなっていることに気づいたことです。私は、このことから、キャンパーが自立した生活を送れるようにするためにも、バリアフリーを普及させることが重要であることを知りました。私たちは、病気、障害を持つ方を特別扱いしてしまいがちです。しかし、ツールが変われば、できることもあるし、バリアフリーが普及すれば、できることが増えていくと知り、障害や病気の有無にかかわらず、対等にすべての人が暮らせるよう社会をつくっていくことが重要であると感じました。
私は、このキャンプで、楽しみながらも多くの貴重な経験をすることができたので、また参加したいと考えています。その際は、今回の反省を生かし、もっとレベルアップした状態で参加できるよう、一層、勉学に励んでいきたいと思います。

2019阿蘇ぼうキャンプ写真