1年生科目「異文化間コミュニケーション」イギリス研修に行ってきました

2019年2月5日から12日までの8日間、本学1年生20名と教員2名が、科目「異文化間コミュニケーション」のイギリス研修に行ってきました。

研修2日目は、かつては産業革命で大いに栄え、現在ではイギリス第2の都市マンチェスター市に在る1896年創設の伝統あるサルフォード大学を訪問しました。異文化間コミュニケーション・ジョイントプログラムのカウンターパートは、同大学の保健社会学部の学生です。プレゼンテーションとディスカッションを通して、お互いの文化や社会を理解するセッションを持ちました。

ちなみに、保健社会学部の棟は、写真にみられるように、「Mary Seacole(メアリー・シーコール)」と名付けられています。F.ナイチンゲールはクリミア戦争で、昼夜を問わず負傷兵を看護したことで、イギリス国内はもとより、アメリカの国民的詩人ヘンリー・ワーズワース・ロングフェローの「サンタ・フェロミナ(Santa Filomena)」(1857年)という詩のなかでも、「ランプを手にしたレイディ(A lady with a lamp)」として賛辞を得ました。一方、ジャマイカ出身の医師件看護師であるシーコールもクリミヤ戦争で、敵味方なく、看護と治療を提供しましたが、ナイチンゲールのような賛辞は受けませんでした。サルフォード大学保健社会学部では、看護の発展に貢献したのはナイチンゲールだけではないという考えのもとに、シーコールの功績を称えるために、保健社会学部の学舎に「Mary Seacole」と名付けたのだそうです。

サルフォード大学にはヨーロッパ諸国からはもちろん、中東のオマーンやアジアの中国などをはじめ様々な国の出身の留学生が多く学んでおり、グローバルな雰囲気でした。また、様々な職業を経験した後で、看護学部に入る学生も多いとかで、日本の大学生よりも年齢が高い傾向にありました。

サルフォード大学との交流は、同大学の看護教員が共同執筆・監修したCultural Awareness in Nursing and Health Careを本学の教員らで翻訳し、『多文化社会の看護と保健医療―グローバル化する看護・保健のための人材育成』(2015、福村出版 [本学所蔵あり])と題して出版したことに始まります。学生間の交流は今回がはじめてでしたが、試験期間中にもかかわらずサルフォード大学の先生方と学生たちが本ジョイントプログラムの実施に意欲的に取り組んでくださったことにより、大変充実した時間を持つことができました。

第2回目のジョイント・プロフラムの実施を約束してマンチェスターを後に、F. ナイチンゲールの近代看護教育確立のための哲学と情熱を形にした足跡をたどるために、第二の研修地ロンドンへと移動しました。ロンドンでの研修成果は、第2報で報告します。

2019.02.19①異文化間コミュニケーション(力武由美)
1896年創立のサルフォード大学。この素晴らしい建築物は、現在は博物館になっています。

2019.02.19②異文化間コミュニケーション(力武由美)
サルフォード大学保健社会学部のメアリー・シーコール棟の前で、参加者全員で記念撮影。

2019.02.19③異文化間コミュニケーション(力武由美)
「福岡の食」を通して私たちを紹介しました。プレゼンを終えて質疑応答の時間。

2019.02.19④異文化間コミュニケーション(力武由美)
サルフォード大学の先生方による大学紹介