国際看護コース「国際保健・看護Ⅱ」ベトナム研修に参加しました

私たち国際看護コース所属の3年生7名は7月31日から8月7日の8日間にかけて、国際保健・看護Ⅱの授業でベトナム社会主義共和国にて研修を行いました。この研修では、ナムディン看護大学とナン・ヴァン村ヘルスセンター、ドンアン診療所、ベトナム赤十字社を訪問しました。

ナムディン看護大学では両校の学校紹介の後、ナムディン看護大学の学生たちと2日目に行う小児への手洗い・歯磨き・火災に対する避難訓練の指導に向けて合同セッションを行いました。セッションの中では、発達課題を踏まえながらどのような指導を行うのか話し合い計画し、短い時間でコミュニケーションをとることに苦戦しながらも実際に体を用いる方法やクイズ方式、ベトナムで有名な手洗いの曲に乗せて実施する方法など積極的にお互いの意見交換をすることができました。2日目には、午前中は幼稚園、午後は小学校で指導したところ、生徒たちは熱心に指導を聞いており、終盤には積極的に実践する姿が見られました。保健指導における課題は、自分の考えを相手にわかりやすく伝えることができる自己発信力と、どのような状況でも臨機応変に対応できる適応力をより向上させていく必要があると考えます。

ナン・ヴァン村ヘルスセンターではヘルス・ボランティアという専門職種があり、一軒ずつ訪問調査し、村全体の健康管理を行っていること、漢方士と呼ばれる薬剤師が地域の人々への漢方の自家栽培や活用を指導し、村全体で疾病の重症化の予防活動や健康の維持活動に取り組んでいる姿が見られました。またドンアン診療所は、所長の寄付によって運営されており、住民は誰でも必要な時に診療を受けることができ、所得に応じた医療費の補助や、ベトナム赤十字と連携しながら山岳地帯への巡回診療、貧しい人々への支援活動なども行われていました。今回訪れた医療施設では、地域住民が健康に生活できるようそれぞれの特性を活かした医療が展開されていました。また、ナン・ヴァンヘルスセンターでは、地域の高齢者に対してフィジカルアセスメントと健康体操の指導を実施しました。フィジカルアセスメントでは言葉が通じないながらも現地の学生と協力しながら表情や身体の観察を重視して情報収集を行い健康問題の把握や体操の可否を判断し、実施しました。最後には恒例のマッサージも行い、高齢者の方々にはとても喜んでいただくことができました。

ベトナム赤十字社の表敬訪問では、1997年から日本赤十字社と共に実施しているマングローブ植林活動を中心に様々な活動の詳細について紹介していただき、ベトナム赤十字社がベトナム全土で展開している幅広い人道活動を理解することができました。

この研修を通して、国内外を問わず訪問・活動をする際には事前に社会背景や文化を十分に理解して臨むことの重要さ、他国の状況を踏まえて自国の看護を見直すことの必要性を学びました。今回の研修で明らかになった課題を克服し、看護の発展につなげていけるよう研鑽を積みたいと思います。

3年生 森 駿哉

小川① 
小学校で手洗いの指導をしている様子

小川②
異文化交流会での七夕まつりの様子

小川③
ナムディン看護大学での集合写真

小川④ (1)
現地の小学生との集合写真