災害救護演習を行いました

11月29日に本学4年生が日本赤十字社福岡県支部や災害ボランティアの皆様にご協力いただき、災害救護演習を行いました。今回の演習は、「災害と看護」の科目の中で行われ、演習の前には、講義のなかで救護所の運営の実施やトリアージ方法などについて学びました。

演習の事前準備として、私たちは2グループに分かれ、災害によって約50名の被災者がでたことを想定し、救護所の運営方法の検討を2週間かけて行いました。私たちのグループでは、メンバーをトリアージ班、エリア別救護班、搬送班、本部に分け各班で必要となる知識・技術の確認を行いました。救護班では、受傷した被災者に対し処置を行うため、赤十字救急法の中から三角巾を用いた包帯の仕方を主に復習しました。また、事前に救護所となる弓道場の下見をサブリーダーが行い、入り口の幅や道場の間取りを確認しながらエリアをどのように分けていくか話し合いました。準備期間中には各班のリーダーとサブリーダーが中心となり、当日の運営がスムーズに進むよう検討を重ねていきました。

演習当日は生憎の雨模様でしたが、震度6の地震によって駐車場や実習棟裏の芝生などの周辺で傷病者が出たことを想定とした演習を行いました。どちらのグループも傷病者に駆け寄り、状態を確認し、トリアージを行い、汗をかきながら毛布を担架の代わりとし救護所に搬送を行っていました。

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<担架の代わりとして毛布を使用し、救護所に搬送する様子>

救護所の中では、搬送されてきた傷病者の再トリアージを行いながら必要な処置を行っていました。事前練習の成果もあり、三角巾を用いながらの止血や、段ボールなどのその場にある物品を用いて骨折の固定を行っていました。このことから学生は、混乱する現場でお互いに声を掛け合いながらそれぞれが自らの役割を全うし、出来ることを見つけていくことが重要であると考えました。また、実際に傷病者役を体験し、軽傷であることから搬送や治療が後になったことで、不安が大きくなり救護者に見捨てられたような感覚を持つことを知りました。このことから、混乱する現場の中でも、傷病者に与える不安が最小限になるように、重症の方を優先しているが後から助けが来ることや、次に行う処置の説明などの声掛けを行うことの重要性を学びました。

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<写真左:搬送されてきた傷病者の再トリアージを行いながら必要な処置を行う様子>
<写真右:段ボールを用いて骨折の固定を行う様子>

救護所運営の演習の後には炊き出し体験を行いました。袋にお米と水を入れ空気を抜きながら口を輪ゴムで止める作業は思いのほか難しく、お米をこぼしそうになりながら準備しました。ご飯のほかに保存食のカレーや煮込みハンバーグ、サバの味噌煮も大きな鍋で温め一緒に試食しました。想像以上においしく炊き上がり、みんな笑顔で食べていました。

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<写真左:ハイゼックス炊飯袋に米と水を入れる様子>
<写真右:米を鍋で炊く様子>

来春からは赤十字病院をはじめ、それぞれの道に分かれて看護職としての人生が始まります。仲間とともに本学で学んだ赤十字の人道の精神を忘れずに、災害時にはすぐに災害モードに切り替えることができるような看護職になりたいです。
最後に今回の演習でご指導いただきました日本赤十字社福岡県支部の皆様、赤十字防災ボランティアの皆様に心より感謝申し上げます。

学部4年生 林めぐみ、吉田恵