第5回国際フォーラムを開催しました。「LocalからGlobalへ 大規模災害 その時本学は! ‐東日本大震災 熊本地震の経験から考える‐」

830
830_2

8月30日、本学のラーニングコモンズにおいて、「LocalからGlobalへ 大規模災害 その時本学は!‐東日本大震災 熊本地震の経験から考える‐」をテーマに国際フォーラムを開催しました。今年4月14日に発生した熊本地震と2011年3月11日の東日本大震災の経験をふまえ、本学が災害発生時に大学としてどのような役割を果たすのか、そのためにはどのように備え、地域でどのように協働していくか考えることを目的としました。
第1部には、地域の防災担当者や保健担当者も参加され、2人の震災経験者の講演をききました。まず、本学の清末定美講師(看護師)が、「熊本地震での救援活動」というテーマで熊本地震における救援活動の実際について講演し、次に、石巻専修大学(宮城県)の尾形孝輔氏が、「災害時における大学の役割と社会貢献‐東日本大震災の経験から‐」というテーマで、東日本大震災において被災者を支援しつつ大学としての機能を継続した活動内容について講演されました。
参加者は、清末講師の熊本震災時の救援活動の実際や、避難所や救援の様子を示す写真から、改めて被災者および救援者の困難さを痛感しました。また、清末講師が紹介した自身の経験から見出した救援に関する数々の課題は、参加者が自身の問題として考えるヒントとなりました。
石巻専修大学の尾形氏は、東日本大震災直後から学生の安否を確認し、被災した学生を大学内に宿泊させるなど、まずは学生の安全確保に努められました。同時に、大学には被災者の要望や関係機関からの要請が集中したため、大学を避難所として提供し、自衛隊や自治体およびボランテイア団体等も受け入れ、それらの環境管理にあたるなど、次々とおこる課題に果敢に取り組まれた状況を語られました。尾形氏をはじめ教職員も被災者であり、生活の確保もままならない中、家族の心配をしながら、限られた人員や物資で対応し、また救援活動に出向く学生への支援まで、柔軟に対応されたことに感動を覚えました。2つの講演後は様々な視点から質疑応答が続きました。
第2部は第1部の講演を受け、本学の教職員だけで、本学が地域に貢献する赤十字の大学として被災者を支援しながら大学としての機能を継続していくためにはどうすればよいのかというテーマで、グループディカッションを行いました。学生を抱える大学としての機能、加えて地域の避難所あるいは救護所としての機能をどのように果たすのか、本学の強みを活かしつつ、早急に備えるべき点や改善すべき点について活発な意見交換がなされ、具体化への示唆を得ることができました。同時に、これを機に引き続き検討を進めていかなくてはならないとの共通認識を確認いたしました。

記:国際看護実践研究センター 国際フォーラム担当
中村、小川