平成28年度 学長室便りVol.2

平成28年度も4か月が過ぎ、毎日猛暑が続いています。4月の入学時には、まだ高校生の雰囲気をまとっていた1年生たちも、すっかり大学生らしい顔と振る舞いで学内を闊歩しています。私は4月に着任以降、本学の学生たちが自然豊かな環境と小規模大学の特長でもある家族的な雰囲気の中で、伸び伸びと、そして確実に成長していることを日々実感しております。
4月には誰も想定していなかった熊本地震が起きました。熊本県出身の学生は本学に約30名おり、被害が甚大であった益城町出身者もおりました。被害に遭われた皆様方には心からのお見舞いを申し上げますとともに、一日も早い復興を成し遂げられますよう願っております。本学では、発災直後に学生たちの安否確認を行い、全員の安全を確認いたしました。翌週には大学の対応を検討し、被災状況により学納金の延納および減額を決定いたしました。
地震被災者に対する学生たちの関心の寄せ方には、目を見張るものがありました。前震とされる14日の翌日には、昼休みに自主的な学生集会が開かれ、「赤十字の看護学生として何ができるか」というテーマで話し合いが持たれました。その結果、学生復興支援委員会が立ち上がり、16日の本震の日から募金活動が開始されました。その後は、ガレキ撤去、避難所清掃、福祉避難所への訪問など多様なボランティア活動を継続しています。大学としても、東日本大震災支援の経験を持つ事務局長を先頭に、多くの教職員が学生の活動を支援しています。私はこうした学生・教職員の活動は、人道の理念や災害看護学を強化している赤十字の看護大学だからこそだと、たいへん誇りに感じております。この学生たちの活動は、日本看護協会出版会発行の雑誌「看護」の8月号に執筆機会を与えられ、学生2名が共同執筆をしました。震災を機に、学生たちは新しい経験を積んでおります。機会がありましたら、記事をぜひご覧いただきたいと存じます(記事はこちら)。
さて、今日では少子化の波がひたひたと押し寄せており、各大学とも優秀な学生の確保が大きな課題になっております。特に、福岡県には看護学を学べる大学が12校あり、来年はさらに1校増えるとのことです。本学では4月から、来年度の入学試験受験者の確保に向けてさまざまな取り組みを行っておりますが、それらが功を奏したのか、7月末日に開催したオープンキャンパスには、昨年よりも約2割増の参加者がありました。オープンキャンパスでは、学生たちがそれぞれ自分自身の言葉で、本学の長所を参加者に語りかけてくれ、私自身、学生たちの本学に対する熱い思いを知る良い機会になり、心温まる1日でした(オープンキャンパスの様子はこちら)。9月25日には2回目のオープンキャンパスを予定しております。
本学では開学時から、国際看護を重視して教育を進めておりますが、先日、わが国に250余りの看護系大学の名前を調べたところ、なんと「国際看護」が大学名の中にも含まれているのは本学だけでした。夏を迎えて、国際看護に関連する海外との交流も活発化しております。6月から7月にかけての2週間、守山正樹教授がベトナムのナムディン看護大学大学院で研究法の授業を担当されました。昨日は、3年生10人が「国際保健・看護II」の授業の一環として同大学に出向き、9月には2年生3人がインドネシアのアイルランが大学に2週間の短期留学をします。皆が元気で、たくさんの学びを持ち帰ってほしいと願っております。
外国から本学を訪問される方々も大勢おります。8月1日から10日間は、国際協力機構(JICA)の技術協力プロジェクトである「インドネシア共和国看護実践能力強化プロジェクト」の研修員20名が本学と今津赤十字病院で老年看護を学んでいます。また、8月29日からの2週間は、ジュネーブの赤十字国際委員会、日本赤十字社および本学とが連携して企画実施する“H.E.L.P.in JAPAN 2016 ”が行われます。これは災害救護に携わる医師、看護師等を対象とした研修です。夏休み期間とはいえ、良い機会ですので、学生は研修生たちと大いに交流を深めてほしいと考えています。

記:田村 やよひ