知的書評合戦 ビブリオバトル(第1回学内予選会)を開催しました

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201477日に、ランチョンミーティングで「ビブリオバトル」を開催しました。「ビブリオバトル」とは、出場者がおすすめの本を持ち寄り、5分間でその魅力を語って、どの本が一番読みたくなったかを参加者全員で投票し、最多の投票を集めた出場者が勝ちとなるというものです。大学生参加の大会が、毎年1回、全国規模で行われています。

    今回の出場者は、1年生の吉田 恵さん、2年生の鹿子島 惇さん、木原如季子さん、3年生の東 明穂さん、4年生の吉田ももさんの計5名です。

    トップバッターは、昨年度、全国大会に北部九州代表として出場した鹿子島さん。おすすめはカトリーヌ・パンコール著『ワニの黄色い目』です。地元の書店でたまたま見つけたフランスの小説だそうですが、「とにかく、今季読んだ中で最高に面白い本。女性は共感する点が多いと思う」と、昨年度のチャンピオンとしての貫禄も十分に、熱っぽくこの本の魅力を語ってくれました。

    2番手の木原さんのお勧め本は、荒川弘著『銀の匙』です。北海道の農業高校を舞台にした漫画で、目的を持たないまま高校に進学した主人公の成長を軸に、農業に携わるとはどういうことなのかが描かれています。ご実家が農業という木原さん、「農業の厳しさと同時に、生き物を相手にする楽しさが描かれており、共感できる点が多かった」と、農業のことをもっと知ってほしい、そのために是非この作品を読んでほしいと訴えました。最後に、この本が因館長の寄託図書であることに触れ、「通常の貸出冊数とは別に借りられる点もおすすめです!」とPRしてくれました。

    3番手、東さんは、森川友義著『大学4年間で絶対やっておくべきこと:生き方・人間関係・恋愛』を紹介してくれました。著者は早稲田大学で「恋愛学」を教える教授だそうです。表紙に書かれた「ぜったい後悔しない!」という文字に惹かれて手に取ったというこの本は、人生編・恋愛編・実践編の3つに分かれています。人生編と実践編については内容を話してくれた東さんですが、恋愛編に関しては「ここでは敢えて紹介しません」とのこと。その言葉に、参加者の興味はかえって増したようでした。

    4番手、吉田 恵さんのおすすめは、阿部了・阿部直美著『おべんとうの時間』です。今回のランチョンという時間帯にもぴったりのこの本、全国各地のさまざまな人とそのお弁当を取材したフォトエッセイ集です。お肉抜きの僧侶のお弁当や、卵3個だけのボディビルダーのお弁当など、印象深い例を紹介しつつ、「お弁当から、その人の背景が見える。それぞれにドラマがあり、同じお弁当はひとつとして存在しない」と、具体的な物の向こうに、その人その人の暮らしや心を読み取ろうとしているところは、看護を学ぶ学生の面目躍如でした。

    最後の発表者は吉田ももさん。旅行が大好きだという吉田さんが紹介してくれたのは、詩歩著『死ぬまでに行きたい!世界の絶景』です。元々はFacebookの「死ぬまでに行きたい! 世界の絶景」というページに掲載されていた写真の中から、特に人気のあった絶景を厳選した写真集です。その場所への行き方や訪れた人の体験談なども掲載した、旅行ガイドとしても活用できるとのことです。説明しながら提示されるカラフルな写真に、参加者も興味津々の様子でした。

    チャンプ本となったのは、2年生の鹿子島さんが推薦した『ワニの黄色い目』でした。

    最後に、因図書館運営委員長から「面白い本を読んだら、人に紹介したくなるでしょう? どのような内容の発表でも、『人に伝えたい。人から話を聞きたい』という純粋な気持ちが奥にあることが大事。ビブリオバトルは、そういう気持ちをストレートに前面に出せる機会なのです。今後もぜひ参加してほしい」という講評をいただきました。

    次回のビブリオバトルは、928日のオープンキャンパスで開催する予定です。多数の皆様のご観覧をお待ちしています。