オープンキャンパスにて「ビブリオバトル予選会」を開催しました

595

 

595_2

 

「ビブリオバトル予選会」を、オープンキャンパスの行われた平成25年9月29日に、学内外から、学生、教職員はもちろん、高校生やその保護者や地域の方にもご参加いただき、開催しました。

「ビブリオバトル」とは、出場者がおすすめの本を持ち寄り、5分間でその魅力を語って、どの本が一番読みたくなったかを参加者全員で投票し、最多の投票を集めた出場者が勝ちとなるというものです。全国規模で行われており、今回の「予選会」を勝ち抜いた代表者は、10月26日に福岡市内で開催される「ビブリオバトル九州北部地区決戦大会」に出場します。そこで勝ち抜けば、次は東京での全国大会です。
今回の出場者は、1年生の鹿子島さん、竹内さん、2年生の鵜池さん、蒲池さん、3年生の大田さん、4年生の吉田さんの計6名でした。

トップバッター、鵜池さんのおすすめは、赤川次郎著『終電へ三〇歩』です。終電から始まる32人の登場人物の物語が絡み合い、展開します。複雑な人間模様が描かれていますが、「ポテトチップスを食べるような感覚」で読み進め、2時間で読了したそうです。「本を読むのが苦手な人でも、きっと楽しく読めるはず!」と勧めてくれました。

2番手、大田さんがすすめる本は中脇初枝著『きみはいい子』です。児童虐待の話、親の介護をめぐる話など、全部で5話が収録されており、私たちが無関心ではいられない事柄をさまざまな立場から考えさせてくれる本だと紹介してくれました。大田さんは、「このタイトル、重そう…」とはじめは気が進まなかったけれども、友人からすすめられてページをめくり始めたら、介護の話など、いつの間にか看護学生の視点で読み進めていたそうです。

3番手、鹿子島さんは、朝倉卓弥著『君の名残を』を紹介してくれました。「長い話を読もう」と探していて出会った本だそうです。幼馴染の高校生二人が下校途中に落雷に遭い、平安後期の源平争乱期にタイムスリップします。歴史の結末を知る二人は運命に抗おうとするのですが…。「クライマックスでは誰でも涙を抑えきれない、歴史をよく知らない人でも楽しめる!」と、熱く語ってくれました。

4番手、蒲池さんのおすすめは星新一著『ようこそ地球さん』です。ちょっと不思議な、でも、もしかしたら日常に起こり得るのではないかと思わせる話がまとめられたSF短編集です。どれも5分程度で読むことができ、蒲池さんは「5分間で想像の世界をひろげてみませんか?」と心の蓋が思わず開いてしまう一言で、発表を締め括ってくれました。

5番手、本多孝好氏著『MOMENT』を紹介してくれた竹内さんは、受験勉強中にやる気を高めるためにこの本を読んでいたそうです。病院で掃除夫としてアルバイトをする大学生の主人公は、末期患者の願いを叶えることを引き受けるようになります。家族への伝言や、ある人への復讐など、患者の最後の願いを知った主人公がとる行動とは…。姉妹編として、この話の7年後を描いた『WILL』という作品も併せて読んで欲しいとのことです。

最後の発表者、吉田さんが紹介してくれたのは、イザヤ・ベンダサン著『日本人とユダヤ人』です。300万部売れたベストセラーですが、当初はあまり興味をそそられず、なぜそんなに売れたのだろうと思って読み始めたとのこと。日本人とユダヤ人を多面的に比較して、日本人とは何かを思いもよらぬ着眼点からあぶり出し、これまでの常識を覆してくれるこの本は、読んで本当によかったと思える一冊だったそうです。

6人の発表後、投票により、1年生の鹿子島さんが紹介した朝倉卓弥著『君の名残を』が見事チャンプ本に選ばれました。

最後に、本学の力武准教授から「発表者が自分の体験と本の世界を行きつ戻りつしながら、本を読み進めていると感じた。著者と対話しながら読み、読むことを通して自分の考えを客観的にとらえている。ビブリオバトルを今後もぜひ継続して実施して欲しい」という講評をいただきました。

チャンプ本に選ばれた鹿子島さんは下記の「ビブリオバトル九州北部地区決戦大会」に出場します。みなさん、ぜひ会場に足を運んで応援してください!

◆ビブリオバトル九州北部地区決戦大会
期 日: 平成25年 10月26日(土)13:30~
場 所: 読売新聞西部本社よみうりプラザ(福岡市中央区赤坂)