JICAインドネシア看護実践能力強化プロジェクト
インドネシアでキャリア開発ラダーのワークショップを開催しました

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5月16日・17日の2日間、JICAならびにインドネシア保健省の協力の下、キャリア開発ラダーの指標づくりに関するワークショップを開催しました。このワークショップは、昨年度から実施しているJICAインドネシア看護実践能力強化プロジェクトの一環です。インドネシアからは昨年度の研修を受講した18名が、日本からは、ファシリテーターとして本学教員2名、アドバイザーとして昨年度の研修を受け入れていただいた大分赤十字病院看護部長、本学名誉学長である喜多悦子先生が参加しました。
今回のワークショップは、ラダー指標をどのように作成するのかという具体的な作業に焦点をあて、その実際を経験していただきました。

まず、保健省が提示している看護師に求められる実践能力の共通理解から始まりました。同じ言葉でもそれぞれの解釈が異なることに気づき、議論を重ね合意していきました。

次に、共通理解した内容から指標に必要な要素を導き出し、指標作成の一端を試みました。議論が停滞し、先にすすまないこともありました。そのような時には、赤十字のキャリア開発ラダーを推進されてきた大分赤十字病院の看護部長さんから、ご自身の経験をふまえたアドバイスやコメントを投げかけていただき、また、喜多先生からもこの研修の意味と意義を説明いただきながら受講生をサポートし、ワークショップをすすめていきました。

今回のワークショップでは、ラダー全体の構築からすると、ほんの入り口の作業を経験していただいたにすぎません。今回の研修を通して、ラダー作成には国の基準となる実践能力の定義が明確かつ共通理解されていること、指標づくりには膨大な作業と時間が必要であることを、インドネシア側に理解していただけたようです。
インドネシアの看護の質の向上のためのキャリア開発ラダー構築への支援は、今後も継続していきます。