小川里美准教授が大山健康財団賞を受賞しました

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「平成24(2012)年度大山健康財団賞」を本学小川里美准教授が受賞しました。

大山健康財団は、実業家大山梅雄氏(1910~1990)の寄附により、子防医学研究、公衆衛生、特に感染症研究および健康増進に関する事業を援助推進し、人類の健康と社会の福祉に寄与することを目的に、1974年に設立された財団法人です。約40年にわたり、感染症研究助成事業とともに、国内または開発途上国で学術研究の普及や啓発にあった個人や団体を顕彰しています。

小川准教授の受賞理由は、長年、イラクやスーダンなどの紛争地で保健サービスが不備な地域の人々のために貢献してきたことによるものです。1992年、赤十字国際委員会(ICRC)の要請を受け、看護師として勤めていた京都第二赤十字病院から日本赤十字社の国際救援開発協力要員としてケニアに派遣され、旧スーダンの内戦による負傷者の治療に尽力して以来、南スーダン北部での外傷患者の治療や看護教育、衛生管理指導などに従事しました。さらに、1999年のトルコ地震の際の救援活動などのほか、昨年度の本学着任直前まで、アフガニスタン、リベリア、パキスタンなどでも継続的に活動を続け、紛争地を中心とした国や地域で、国際赤十字の医療チームや他のNGOのメンバーとともに、現地の人々の救援活動を行ってきました。

3月14日(木)には、東京都内の霞が関ビルで授賞式が行われ、今年度の受賞者に賞状と副賞が贈られました。帰福した小川准教授は、「その時、その場で、できることを精一杯にやってきた自分としては、思いがけない受賞で驚きと喜びが半々。今後は、後進のために自分の経験と世界の現状を伝えるとともに、可能な限り、紛争地域の人々そして看護へ貢献したい。」と語っていました。さっそく副賞(賞金100万円)は、国内紛争が長期化しているシリア難民への救援活動のために寄付され、残り一部は、本学図書館の一層の充実のために寄付されました。

なお、本学教員が大山健康財団の賞を受賞するのは、平成14 (2002) 年の喜多悦子学長が奨励賞を受賞して以来、10年ぶり2回目となりました。