JICAインドネシア看護実践能力強化プロジェクト調査団としてインドネシアを訪問しました

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本学は、開学以来、相当数の外国人保健看護専門家研修を受け入れてきましたが、昨年秋以来、JICA(日本国際協力機構)のインドネシア看護継続教育支援の受け皿として規模の大きな国際看護協力に踏み出しました。

その第一歩として昨年 11月には、福岡、唐津、大分の各赤十字病院の協力を得て、インドネシアの 5大学10病院と保健省から総計21名の研修生を4週間にわたって受け入れ、赤十字のキャリア開発ラダーの実際を経験して頂きました。今回、現地の看護教育と看護の実態を把握し、先の日本での研修がどのように広がりつつあるのかを視察見学し、また、今後、どのような協力が可能かを関係者と意見交換することを目的に、本学教員と先の研修を受け入れて頂いた3病院の看護副部長や教育担当師長からなる調査団で、1週間訪問しました。
現地では、昨秋来日された皆さんとの再会で盛り上がり、ハグを交わす場面があちらこちらで見られました。

調査期間のうちに、インドネシア大学、アイルランガ大学の2看護大学とそのパイロット病院4施設、ナーシングホームを訪問し、 そしてその前後には保健省表敬と会議、JICA現地事務所への報告も行いました 。まだ、わが国ほど高齢化していないものの、インドネシアの看護関係者の老年看護への意識と関心は高く、本プロジェクトでも、救急/災害看護、母性に加えて、老年看護への協力支援が要望されています。

インドネシアでは、まだ、看護師国家試験は整備中ですが、これに代わる認証試験が行われようとしており、既卒の看護師の研修義務づけの動きもあります。看護の質と看護師の能力向上を図る試みが動き始めているこの時期、私たちの協力がより良い形で、現地の目的達成の促進に貢献できるように努力したいと思います。看護が目指すゴールは、日本もインドネシアも同じです。ですが 交流は一方通行ではありません。多数の島からなる多民族多文化の中にあって、「多様性の中の統一」という「建国の精神」のもとに開発が進むインドネシアから、私たち日本側が学ぶべきこともたくさんありました。
道中、豪雨に見舞われ飛行機が遅れひやりとする場面もありましたが、無事、任務を終えられました。忙しい時期にこのような貴重な機会をいただきましたことを調査団一同、JICA、協力して頂いた赤十字病院、大学の皆様に心より感謝いたします。