赤十字の看護大学の5月は、毎年のことながら、忙しいのです。といって、ドタバタ走り回るのではありません。心静かに、日頃、多忙にかまけておざなりになっている諸々を反省し、赤十字の理念を反芻し、改めて看護を思索し、そして英気を養うべき、いわば精神的に多忙な月だと、私は思っています。
まず、5月1日は、日本赤十字社の創立記念日です。 1877年の5月1日、日本に赤十字を創立した佐賀藩士佐野常民と、そもそもは三河奥殿藩のお殿様、後に信濃竜岡藩主となった大給恒が博愛社を設立した日です。博愛社、後の日本赤十字社ですが、西南戦争の激戦地、今の熊本田原坂あたりで、政府軍と薩摩西郷軍の負傷者を敵味方の別なく救護しました。博愛社は、1886年、日本が万国赤十字条約に加盟した翌年1887年5月20日に日本赤十字社と改称しました。
5月8日は世界赤十字デー。この日は、ヨーロッパが近代に差し掛かる時代の曲がり角ともいうべき1859年、イタリア統一最後の激戦地ソルフェリーノを通りかかったことから、崇高な赤十字の理念を思い至ったアンリ・デュナンの誕生日を記念して定められました。現在、世界に187社の赤十字社または赤新月社(イスラエルはRed Crystal)がありますが、それらの国には、1,300万人を超える赤十字ボランティアがいるのです。東京都の全住民に匹敵する数ですね。わが国でも、この日、5月8日には、日本赤十字社名誉総裁の皇后陛下、同名誉副総裁の秋篠宮妃殿下、常陸宮妃殿下、高円宮妃殿下のご臨席のもとに式典が開催されました。詳しくは、
日本赤十字社HP をご覧ください。
そして本日5月12日は、申すまでもないことですが、近代看護の祖、フローレンス・ナイチンゲール(1820.5.12-1910.8.13)の誕生日、そして国際看護師の日(International Nurses Day,
ICN(International Council of Nurses, 国際看護師協会)であり、日本では看護の日(
日本看護協会)です。各国、各地では様々な催しが行われています。日本では、12日を含む週の日曜から土曜までは「看護週間」とされていますが、ICN HPでは、
“Closing the Gap from Evidence to Action(エビデンス<科学的証拠>とアクション<看護行為>のギャップをつめよう)” というキットの広報が行われています。皆さん、ぜひ、自分で当たってみて下さい。
そして、看護師に関係のあるもう一つの興味深い日も5月にあります。それは、1930年5月15日、Ellen Churchという看護師資格を持つ女性ら8名が、現在のユナイテッド航空機で初めて女性の客室乗務員として空を飛んだ日です。もちろん空を飛んだ最初の看護師です。
世界初の客室乗務員は1912年のドイツでの男性だそうですが、当時まだ危険な乗り物のイメージだった飛行機を、女性も乗れる!!安全なものと示すためだったとされていますが、なぜ看護師だったのかは、よくわかりませんが、当時のアメリカは大恐慌で就職が困難だったこともあって、特に女性の職業が少なく、例えば1935年12月にはある航空会社で43名を公募したところ2000名以上が応募したとありました。ちなみに、日本では、1931年、東京航空輸送で、東京‐下田‐清水間の旅客線に3人のエアガールを乗せたそうです。
グローバル化し、複雑化し、変転激しい時代です。
80年前、空を飛び、新な分野に挑戦した看護師先輩に負けず、看護の力で安全で安心な21世紀を作って行きたい、作ろうと、看護の日に改めて思っています。
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